アシックスの今期、一転の営業減益見通し 米欧不振、特損計上「見積もり困難」
- 2018/11/02
- 17:24
アシックスは2日、2018年12月期の連結営業利益が前期比39%減の120億円になる見通しだと発表した。従来予想の200億円から下方修正し、一転の減益見込みになった。米州と欧州の販売が不振で減収になる見通しのうえ、両地域では滞留在庫の処分販売を実施する。加えて国内では直営店の関連費用など販管費が増加しているのも響く。売上高は前期比4%減の3850億円と予想した。
純利益の見通しは取り下げた。従来予想は7%減の120億円だったが、来期以降の収益拡大に向けて事業構造改革を検討しているという。人員配置の見直しに加え、不採算店舗の減損処理や政策保有株式の売却など特別損失を計上する可能性があるが、現時点では構造改革の内容が固まっておらず、合理的な見積もりが困難としている。12月期末の12円配は維持する計画。年間配当は前期比50銭増の24円にする予定を据え置く。
広田康人社長COO(最高執行責任者、写真=資料)は2日午後に開催した電話会議で、事業構造改革について「欧米が中心になると思うが、人を減らすことも視野に入っている」と人員削減にも言及。滞留在庫の処分販売については30億円ほどの減収要因になるもよう。このほか商品カテゴリーごとに社内カンパニー制を導入。まずは19年1月から「オニツカタイガー」がカンパニーとして機能させる。さらに「パフォーマンスランニングシューズ」「スポーツスタイル」「コアパフォーマンススポーツ」「アパレル・エクイップメント」の4カテゴリーはカンパニー制に向けて採算管理を強化する。
同社の最大の課題について聞かれると、広田氏は「製造の現場と販売の現場が離れている」と述べ、顧客のニーズが企画や製造部門に的確に伝わっていなかったことを指摘。そのうえで「今期中に見直しができる物は全てやっていきたい」と述べ、来期以降の収益回復に意欲を見せた。
同時に発表した2018年1〜9月期の連結決算は、純利益が前年同期比48%減の82億円と、大幅な減益になった。主力のランニングシューズで7%減収になるなど、欧米を中心とした販売不振が響いた。新興国通貨の下落で為替差損も発生し、27億円を営業外収益に計上した。売上高は5%減の2956億円、営業利益は37%減の153億円だった。
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