神戸医療産業都市のPRやビッグデータなど議論 健康・医療戦略会議で初回会合

20180910神戸健康・医療戦略会議

 神戸市は10日午後、健康や医療に関する研究や事業の方向性について、幅広く意見を収集する有識者会議「神戸健康・医療戦略会議」の初回会合を神戸市役所で開催した。10月に20周年を迎える神戸医療産業都市の新たな展開に向けて、企業や研究機関などのトップらから意見を聞くのがねらい。神戸医療産業都市の国内外に向けたPRや、医療でのビッグデータ活用などを議論した。

 議長には、神戸市立医療センター中央市民病院の元院長で、神戸医療産業都市の構想を最初に取りまとめた井村裕夫・京大名誉教授が就いた。井村氏は、あいさつで構想当初を振り返り、「オール関西」を意識したことや、ふさわしい研究センターを作ることで企業の誘致につなげようとしたことなどを話した。そのうえで「医学を取り巻く環境は当時と大きく変わった」と述べ、会合の意義を強調した。

 神戸医療産業都市は「国内外で知名度が伸び悩んでいる」との意見について、委員として出席した神戸医療産業都市推進機構の本庶佑理事長は「予算がない面もあるが、対外発信の(外部の)プロを活用する必要もあるだろう」と話した。

 臨床データや健康診断の記録をビッグデータとして活用する際は、個人情報保護の観点で理解を得るのに大きな労力を伴うとの見方が述べられると、世界保健機関(WHO)神戸センターのサラ・ルイーズ・バーバー所長が「誰がデータに接触し、最終的に誰が利益や恩恵を受けるのか、まず整理する必要がある」と指摘していた。一方、なんらかの形で「『神戸モデル』を提示することが必要だ」(松本洋一郎・東京理科大学学長)と実践重視の意見も出ていた。

 特に報告書などをまとめるための期限は設けず、今後も年2回程度開催して意見を聞く予定という。収集した意見は、神戸市や神戸医療産業都市推進機構が企画の参考にする。

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