ラ・スイート、新技術を活用した安全な「熟成肉」料理を提供 明大など開発

20180714エイジングシート

 ラスイート(大阪市天王寺区)が運営する神戸市中央区のホテル ラ・スイート神戸ハーバーランドは13日、同ホテルのレストランで安全に熟成肉を製造する新技術「エイジングシート」を使った肉料理を提供すると発表した。肉を寝かせることでうま味が引き出されるとして人気を集めている熟成肉だが、従来の製造方法では味も品質も安定しなかった。このため同ホテルでは熟成肉を取り扱ってこなかったが、新技術を取り入れてメニューの品ぞろえを拡充する。(写真はエイジングシートで熟成中の牛肉のイメージ)

 従来の熟成肉は、肉の熟成に必要な菌を空気中から取り込んで発酵させることで製造してきた。特に熟成肉の定義も決まっておらず、熟成に使う菌の規定などもない。このため店によっては肉を腐敗させてしまうケースもあった。ただ新技術の導入で「安心して食べられる上に、この春ごろから価格が高騰している神戸ビーフなどに比べて、割安な価格でおいしい肉料理を提供できる」(ラ・スイート神戸ハーバーランドの桧山和司総支配人)と判断した。

 エイジングシートは、人体には無害でありながら肉の熟成に利用できる菌の胞子を付着した布。肉をエイジングシートで包んで保存することで腐敗を防ぎ、確実に肉を発酵熟成させる。従来は100日程度かかっていた熟成期間を、30日程度に短縮することにも成功した。飲食店を展開するフードイズム(東京都渋谷区)と明治大学が共同で開発し、両者の共同出資会社ミートエポック(川崎市多摩区)が製造・販売している。

 同ホテルで提供する料理は「発酵熟成肉ステーキ 淡路産玉ねぎを添えて」1ポンド(453グラム、1万2000円)、「熟成ロース肉のグリエ・兵庫県産野菜のサラダを添えて 赤ワインソース」(6000円)など。いずれも消費税とサービス料が別に付く。

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