井戸兵庫知事、イーライリリー「必死の引き止め工作した」「3回ほど手紙」

20180713イーライリリー鏡開き

 兵庫県の井戸敏三知事(写真右)は13日、米製薬大手イーライ・リリーの日本法人である日本イーライリリー新本社(神戸市中央区)の完成記念式典(写真)であいさつし、「多くの人は知らないでしょうが、このビルの話が出る前に(日本)イーライリリー本社が神戸から別のところに変わろうという話があった」と突如明らかにした。さらに「そこであわてたのが私や久元(神戸)市長でありまして」「県と市でよくよく相談しまして、必死の引き止め工作を行いました」と打ち明けた。

 さまざまな「引き止め工作」の一環で、井戸氏も米イーライ・リリーの本社に宛てて「3回ほど手紙を書いた」という。ただ、神戸への引き止めに「最も効果があったのは、神戸を愛するイーライリリーの社員のみなさんの気持ちでした」「その意味で私はたいへん喜んでおります」と話した。井戸氏は24〜30日の日程で訪米する。米ワシントン州との友好提携55周年行事に出席するのが主な目的だが、その際にはインディアナ州にある米イーライ・リリー本社にも立ち寄る予定だ。

 井戸氏に続いてあいさつした神戸市(写真左)の久元喜造市長は、「井戸知事がおっしゃったことにコメントするつもりはないのですけれど」と苦笑。「いろんな経緯がありまして、引き続き神戸を選んでいただいたということを本当に感謝しています」と話した。神戸市と日本イーライリリーは神戸医療産業都市での認知症治療薬の開発について協定を結んでいる。

 日本イーライリリーのパトリック・ジョンソン社長は、新本社について「10年前に日本で始まった医薬品の承認までの期間を短くする施策と、価格を安定化させる政策を受けて、私どもの投資判断の結果(が新社屋を持つという結論)」と語り、神戸市を拠点とした日本での中長期的な事業継続を念頭に置いていると強調した。

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