閉店候補が一転、地域連携で「モデル店」に コープミニ月が丘で新装オープン式典

20240323店舗実績

【神戸経済ニュース】生活協同組合のコープこうべ(神戸市東灘区)は23日、店舗「コープミニ月が丘」(神戸市西区)で同店の新装オープンを祝う式典を開催した。同時に地域住民らが連携して販売会や体験会なども開く行事「コープフェスタ月が丘」を開催した。2023年度の営業終了(閉店)候補店とされたが、地域ぐるみで同店の利用を促進する活動を展開。営業継続が決まった店舗だ。地域住民が自由に使えるスペースとして店内に新設した「コープのつどい場月が丘」で、あいさつした多村孝子常務理事は「コープこうべの中でも事業モデルになるお店になった」と評価した。

 従来は販売不振で店舗を閉鎖する場合、コープこうべで閉鎖を検討、判断、決定した後は計画通りに閉店するしかなかった。そして閉店するたびに、店舗付近の組合員には「こうなる前に知らせてくれたら」と言われてきた。それもあって2023年度は初めて、閉店候補になった店舗をよく利用する組合員に、閉店の可能性を書面で通知した。23年度は7店舗を閉店候補とし、過去半年のうちに各店舗を利用した組合員に、それぞれの店舗が閉店する可能性を知らせるハガキを発送。コープミニ月が丘も、その1つだった。

 「閉店になったら困る」と立ち上がったのは店舗が立地する月が丘地区の自治会だ。自治会など地域団体はコープこうべ、神戸市、店舗が入居する施設「月が丘センター」を運営する市の外郭団体「こうべ未来都市機構」の4者で協議会を作り、どうすれば閉店を避けられるか話し合いに入った。同時に地域住民の間で、今後高齢化が進む中、徒歩圏内に生活必需品を買える店舗があることが生活の質を高めると、改めて合意形成をめざした。成果指標として「コープさんには日々の店舗の売り上げを掲示してもらうことにした」(月が丘自治会の小川薫会長)。

 コープこうべは「供給高(売上高)に対する赤字額が8%」「建物の老朽化など施設課題がある場合は、供給高に対する赤字額が4%」との基準を設定。基準よりも赤字が大きい店舗を閉店候補とした。22年度(23年3月期)にコープミニ月が丘の赤字額は供給高の10%を超えていた。自治会などの取り組みによって、これが23年4月〜24年2月の累計で3%台にまで回復。取り組みの結果、地域外に流れていた買い物需要が地元に回帰した形だ。来店客から品ぞろえに関するリクエストも増え、売れる商品を棚に置くことができたのも収支の改善に寄与した。

20240323こども食堂

 23年度は閉店候補とした7店舗のうちコープミニ月が丘のほかにも、コープミニ猪名川南(猪名川町)、コープミニ大谷(西宮市)でも営業継続が決まった。一方でコープつかしん(尼崎市)、コープミニ荒田(神戸市兵庫区)、コープミニ山田(吹田市)、コープ東加古川(加古川市)は閉店したが、候補になった7店舗をすべて閉店するよりもコープこうべとしても供給高の縮小を避けられた。細かい手順は微修正する見込みだが、24年度も閉店候補を抽出して、対象店舗の利用が多い組合員に通知する方式は継続する方針だ。

 とはいえ依然として店舗の赤字は続く。月が丘自治会では店舗存続だけでなく「地域の持続可能性のためには若い世代を呼び込むことが必要で、地域で安全安心に子育てするための環境づくりに力を入れる」(小川自治会長)という。営業継続が決まり、古くなった冷蔵ケースを入れ替えた現在も売上高の掲示は続けている(1枚目の写真)。次の目標はコープミニ月が丘の店舗単独での黒字転換になるだろう。成功すれば改めて全国に、「地域と小売店との関係とは何か」を問い直すことになるかもしれない。(2枚目の写真は「コープフェスタ月が丘」の一環で開催した子供食堂の様子)

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