(解説)神戸市の上場会社、神戸鋼2.8倍で値上がり率首位 年間株価ランキング

20231229株式相場ランキング上

【神戸経済ニュース】2023年の東京株式市場では、12月29日現在で神戸市に実質的な本社を置く上場会社で1年前と株価が比較できる48社のうち、36社の株価が上昇した。最も値上がり率が大きかったのは、24年3月期に過去最高益を見込む神戸製鋼所(5406)で、株価は昨年末の2.8倍になった。2位は主力の食品事業が回復した一方で、不採算事業からの撤退が進んだ神栄(3004)。配当性向の引き上げを表明したバンドー化学(5195)が3位と続いた。半面、メタバースの需要が後退したmonoAI technology(5240)が値下がり率でトップになった。

 48社のうち最も値上がり率が大きかった神戸鋼は、東証プライム全体でみても値上がり率のランキングで7位に顔を出した。2月に神戸発電所4号機の営業運転を開始。これで栃木県真岡市と神戸市灘区で展開する発電事業の設備投資が一巡した。安定して利益を生み出せる事業基盤ができたことで、「素材系事業」「機械系事業」「電力事業」を収益の3本柱に位置付ける体制が整いつつある。昨年発表した製造時の二酸化炭素(CO2)排出を「実質ゼロ」に相殺して販売する「コベナブルスチール」も採用例が増え、鉄鋼メーカーでも環境対応が進んだ印象を打ち出せたのも株価を下支えしたとの見方もあった。

 2位の神栄(3004)は、新型コロナウイルスが打撃になった食品関連の回復が収益に寄与した。輸入の冷凍食品を中心とした業務用食品の販売が増加。円安の逆風を跳ね返して収益を拡大し、23年3月期の復配に続き、今期は増配する計画だ。バンドーは、英投資ファンドの「ニッポン・アクティブ・バリュー・ファンド」(NAVF)が6月の定時株主総会に株主提案すると伝わったのが上昇のきっかけ。株主提案は否決されたが、バンドーは配当性向を従来の40%から50%に引き上げた。これが株主を意識した経営の実現に向かっているとの見方につながったという。

 ランキングの上位を見ると、新型コロナの影響が後退したのが追い風になった銘柄が目立つ。神戸鋼のほかバンドー、石原ケミカル(4462)は、半導体不足の解消に伴って自動車生産が回復したのが収益にプラスに働いた。神栄のほかトーホー(8142)も、飲食や宿泊など外食需要の回復で、業務用食品の販売が増加。トーホーは不採算だったスーパーの売却も決まった。新型コロナの際にランニング需要の見直しでアシックス(7936)が注目されたが、マラソン大会などスポーツ大会の再会はもちろん同社にとって追い風になる。アシックスは時価総額が一時1兆円を上回ったが、年末時点では8388億円になった。

20231229株式相場ランキング下

 値下がり率の首位はmonoAI technology(モノアイテクノロジー、5240)で、株価は昨年末の1077円が421円と半値以下。新型コロナの感染拡大が高まったメタバースへの関心が剥(はく)落した。大口顧客への販売が縮小したことで収益も悪化した。値下がり率2位の日本製麻(3306)は、昨年の値上がり率トップ。同社株を買い進んでいたゴーゴーカレー社の創業者である宮森宏和氏を臨時株主総会を経て社長に選任したが、のちに社長を解任。社長解任時にかかるゴーゴーカレーの日本製麻株の買い付けを、インサイダー取引とし認定するなど、株の買い手が不在になったところで経営の混乱を印象づける結界になった。

(神戸経済ニュース編集長 山本学)

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