スーパーコンピューター「富岳」2部門で8期連続の世界一 TOP500は4位に後退

20230523富岳ラック

【神戸経済ニュース】理化学研究所は14日、富士通と共同開発して計算科学研究センター(神戸市中央区)で2021年3月に本格運用を開始したスーパーコンピューター「富岳」(写真=資料)が、およそ半年ごとに発表する世界のスーパーコンピューターのランキングのうち2部門で8回連続で首位を獲得したと発表した。理研によるとランキングは米コロラド州デンバーで開催中の高性能計算技術に関する国際会議「SC23」で発表された。

 8期連続で世界トップだったのは、実際のアプリケーションなどでよく利用される計算方法でみた処理速度のランキング「HPCG」と、ビッグデータの分析で重要になる大規模グラフ解析の性能ランキング「Graph500」の2部門。計算速度を競う「TOP500」では4位と、5月に発表された前回の2位から後退した。人工知能(AI)で主に使用する演算方法でみる性能の指標「HPL-MxP」(旧名称「HPL-AI」)では3位を維持した。

 富岳の開発に携わった理研の松岡聡・計算科学研究センター長はコメントを発表し、「4年の長期間にわたって世界トップクラスの性能が維持できているのは、元々の『富岳』のハードウェアの元来の技術力の高さに加え、ソフトウェア面でも本センターにおける継続的な研究開発により性能向上を図ってきた成果だ」と強調した。

 理研では現在、富岳と異なるスーパーコンピュターやクラウドサービス上に、富岳と同等のソフトウエア環境を再現する「バーチャル富岳」の開発に取り組んでいる。厚みがある富岳のソフトウエア環境を、世界中から利用できるようにすることを目指している。あわせて量子コンピューターの本格利用に向けたシステムソフトウエアの開発など、さらに高性能なコンピューターを利用しやすくする開発を進める。

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