瀬戸内海の持続性で大学生ら提言 環境保全の特措法50年、神戸で記念式典

20231113瀬戸内学生

【神戸経済ニュース】環境省と瀬戸内海環境保全知事・市長会議、瀬戸内環境保全協会の3者は12日、高度成長期の1960年代などに汚染が進んだ瀬戸内海の環境改善をめざした「瀬戸内海環境保全特別措置法」の制定から50年の節目を迎えたのを記念した式典を神戸国際会議場(神戸市中央区)で開いた。式典では大学生ら4グループによるプレゼンテーションと、提言を盛り込んだ「瀬戸内未来ビジョン」を発表。同ビジョンを元にしたパネル討論会も開催した。(写真は発表を終えた大学生ら)

 大学生の発表のうち「瀬戸内海の食文化で海を守る」をテーマに発表した香川大学・徳島大学のグループは、「市民が海に対する関心を持つ機会や、環境・水産に関する問題を知る機会は十分にあるのに、(それぞれ情報発信する)施設ごとに関心事がバラバラで一貫性がない」と指摘。結果として、住民の関心は高い問題であるにも関わらず、そうした情報発信の認知度が低下している可能性があり、活動に一貫性を持たせるために「産官学の連携が非常に重要だ」と強調した。そこで連携の際にキーワードになるのは「食文化」ではないかと提言していた。

 このほか大阪府立大学・大阪公立大学のグループは「瀬戸内プライドで行動変容へ」、神戸大学・関西学院大学のグループは「北前クルーズで瀬戸内一周!」、近畿大学のグループは「瀬戸内を心が再生する場所に」をテーマに、それぞれ発表。豊かで美しい瀬戸内海にするための新たな手法や活動などを相次いで提案した。

 パネル討論では、瀬戸内海環境保全特別措置法を所管する環境省の土井健太郎・水・大気環境局長は、食文化や北前船の航路をたどるクルーズといった学生らの提言について「体験するというのは人類共通の琴線(きんせん)に触れる部分で、それらを提案していただいたのは国の政策にも役に立っていく」との認識を示した。加えて瀬戸内の特措法が、温暖化や海洋プラスチック問題にも対応するよう改正が重ねられている点について「この地域を愛している地元住民の熱意が最終的には法律という形に結実した」との認識を示した。

 式典の冒頭では主催者として環境省の滝沢求副大臣、兵庫県の斎藤元彦知事、瀬戸内海再生議員連盟の会長である山本順三参院議員の3人が開会のあいさつに立った。式典の最後は、神戸市の今西正男副市長が閉会のあいさつをした。

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