日銀神戸支店、景気判断「緩やかに回復」に上方修正 個人消費の回復を確認

【神戸経済ニュース】日銀神戸支店が10日に発表した11月の管内金融経済概況では、兵庫県景気の総括判断を「一部に弱めの動きがみられるものの、緩やかに回復している」とした。10月まで続いた「持ち直している」から1年ぶりの上方修正で、景気が回復局面にあることを示した。判断を引き上げた要因として、これまで「回復に向けた動き」としていた個人消費について「物価上昇の影響を受けつつも、緩やかに回復」と回復を確認したことがある。

 個人消費は百貨店を中心に、新型コロナウイルスの感染拡大前を上回る場面もあるなど回復局面から脱して「緩やかに増加している」と指摘。一部で買い控えの動きもあるが、スーパー販売額も堅調。家電も堅調との見方を示した。ただ足元で物価の上昇が続く中、個人消費が続くかどうかは来春の賃金上昇の動向に左右されやすい。賃上げをめぐる企業の動きをめぐっては、日銀神戸支店としても注意深くみていく方針という。

 一方で製造業などの生産をみると、まだら模様の情勢だ。半導体不足の解消を背景に自動車部品が回復しているほか、新製品効果の2輪車や、輸出する航空機部品も生産は増加するなど、輸送機械は「緩やかな増加」に入ったとみる。だが半導体の輸出規制や現地の景気悪化で、中国向けの工作機械や製造装置といった機械類の生産は減少傾向にある。こうした弱い動きは今後広がるかが焦点だ。

 新型コロナの影響で消費が停滞した反動である、いわゆるペントアップ(持ち越し)需要は当然ながら、いつまでも続かない。今後の個人消費の鍵を握る企業の動きを見極めるうえで、次回の全国起業短期経済観測調査(短観、12月調査)などで点検したいという。加えて中国の情勢と、中国景気が兵庫県の経済に与える影響については丁寧に調査を続ける必要があると、日銀神戸支店ではみている。

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