バンドー、今期純利益10%増に上方修正 販売数量引き下げも為替の追い風

20231109バンドー

【神戸経済ニュース】伝動ベルト大手のバンドー化学(5195)は9日、2024年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比10%増の63億円になりそうだと発表した。従来予想の60億円から、小幅ながら増益率が拡大する見通し。想定以上の大幅な円安が進んだことで、為替予約などに関連して営業外に計上する「為替差益」が膨らむ見通しになった。配当計画は前期比16円増の68円(うち中間34円)を維持する。

 売上高に相当する売上収益は1%増の1050億円、営業利益は5%増の87億円になる見通しは据え置いた。記者会見した植野富夫社長は、売上収益や営業利益についても「為替の追い風はあると思うが、より事業環境が厳しくなる可能性がある」という。中国の景気減速などを受けて、販売数量は当初想定を引き下げた。業績予想の前提になる為替レートは通期平均で1ドル=140円と、従来の130円から円安方向に見直したうえでの売上収益、営業利益の据え置きだ。

 植野社長は記者会見で、株価純資産倍率(PBR)を1倍以上に引き上げるための施策についても言及した。PBRはPER(株価収益率)と自己資本利益率(ROE)の乗(PER=PER×ROE)であることに着目し、「ROEを着実に引き上げることでPBR1倍を達成したい」と強調。収益性向上の取り組みを紹介したのに加え、自己株式を除く発行済み株式数の1.82%に当たる80万株、10億円を上限に24年3月末まで自社株買いを実施することも、あわせて発表した。

 同時に示した23年4〜9月期の連結決算は、純利益が前年同期比3%増の36億円だった。半導体不足の解消による自動車生産の回復で、自動車向けベルトの販売が増えた。産業資材事業は減益、高機能エラストマー製品事業は小幅ながら赤字になった。売上収益は3%増の539億円、営業利益は3%増の45億円だった。

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