川重、今期純利益77%減に下方修正 航空エンジン巡り4〜9月期は赤字
- 2023/11/08
- 12:30

【神戸経済ニュース】川崎重工業(7012)は8日、2024年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比77%減の120億円になりそうだと発表した。従来予想の470億円から減益幅が拡大する。「航空宇宙システム」事業で、川重が開発に参加した航空エンジン「PW1100G-JM」に不具合が発生したことによる損失580億円を4〜9月期に計上したのが響く。円安による輸出採算の改善や、「エネルギーソリューション&マリン(ES&M)」事業で持ち分法投資利益が増加することなどで補いきれず、収益見通しを見直した。
年間配当金は前期比50円減の40円(うち中間20円)とした。従来計画は10円減の80円(うち中間40円)だったが、純利益の今期予想を下方修正したのに伴い配当金も減額した。
売上高に相当する売上収益は7%増の1兆8400億円、本業の利益を示す事業利益は51%減の400億円を見込む。従来予想は1兆9000億円、780億円だった。「ES&M」事業ではアンモニア運搬船など船舶海洋事業で増収。二酸化炭素の実質排出ゼロ(カーボンニュートラル)に向け、液化石油ガス(LPG)やアンモニア運搬船の需要が引き続き堅調という。防衛省向け潜水艦も安定的に受注を得ている。一方で「精密機械・ロボット」では中国の建機市場向け油圧機器や半導体向けロボットが減速している。
鉄道車両の「車両」、2輪車などの「パワースポーツ&エンジン」は事業分野(セグメント)別の予想を据え置いた。業績予想の前提になる為替レートは1ドル=140円、1ユーロ=150円とした。
同時に発表した23年4〜9月期の連結決算は、最終損益が29億円の赤字(前年同期は401億円の黒字)になった。4〜9月期の最終赤字は20年4〜9月期以来3年ぶり航空エンジンの不具合をめぐる損失計上が響いた。この損失を除けば、事業ごとに強弱は出たが、全体としては概して期初に想定した通りの業績という。売上収益は1%減の7693億円、事業損益は344億円の赤字(前年同期は308億円の黒字)だった。
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