神戸製鋼、疲労亀裂の発生を抑える高機能鋼板 造船・橋梁の課題に寄与

【神戸経済ニュース】神戸製鋼所(5406)は厚鋼板に疲労亀裂の発生を抑える機能を加えた対疲労鋼板「EX -Facter」を製品化したと発表した。成分設計と圧延工程での圧力と温度の管理を厳格化することで、亀裂の元になる傷が発生しにくい鋼板を開発した。厚鋼板に疲労亀裂の発生を抑える機能を備えるのは、業界初という。耐久性が求められる造船分野や橋りょう分野での課題解決に、高機能鋼板で寄与したい考えだ。

 試験対象の鋼材から採取した試験用の鋼材の一部(試験片)を疲労試験機にセットし、同じ方向に引っ張りと圧縮を繰り返すことで、破断と耐荷重との関係を調べる試験では、繰り返し数1千万回での疲労強度が従来の鋼板に比べて36%向上したのを確認したという。構造上の安全性向上が求められる部位で、疲労破壊に対する安全性を確保したうえでの軽量化などが期待できるという。

 船舶分野では、すでに新来島どっく(愛媛県今治市)が今回の鋼材を採用。ばら積み貨物を積載する一般貨物船の船倉上部のコーナーに使うなど、すでに4隻の船に使用した。今後一般貨物船のほか自動車運搬船など25隻で、今回の鋼材を採用する計画があるという。このほか神戸製鋼では、疲労損傷対策が課題になっている、大型車の交通量が多い橋梁で、路面下の構造材である鉱床版への採用を提案している。

 製造は加古川製鉄所(加古川市)。船舶分野では新機能の鋼材が使われる部位の拡大を、橋りょう分野では年3〜4カ所での採用をそれぞれめざす。

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