「日本のお金だけでなく経験も」 アフリカの識者ら議論、神戸のアフリカ月間
- 2023/10/28
- 05:05
【神戸経済ニュース】「日本はアフリカでのリスクを減らすのにお金を出そうとするが、私たちは日本のお金だけではなく日本の経験がほしい」。こう話すのはマリ出身で京都精華大学の前学長であるウスビ・サコ教授(写真右)だ。焼け野原になった第2次大戦からの復興、世界をリードする国になったのを見るにつけ「日本のやり方は、あこがれだ」という。日本芸術会館(神戸市中央区)で27日に開いた「アフリカビジネスコンテスト・フォーラム」で実施したパネル討論で、司会を務めた神戸情報大学院大学の内藤智之副学長(写真左)による「アフリカから日本はどう見えるか」との質問に答えた。
サコ教授は「以前はアフリカに進出していた日本企業も多かったし、2000年台はアフリカに対する政府開発援助(ODA)が世界でもトップクラスだった」と振り返る。だが2020年代の日本企業は「リスクを取らず、きれいになってから出て来ようとしているのではないか」との見方を語った。アフリカで日本企業の存在感の小ささについて、思い切ってアフリカで現地向けのビジネスを展開しようとしない「迷い」があると指摘した。
コンゴでハイブランドのスーツを着こなす「サプール」の写真を撮る写真家のボドウェン・ムアンダ氏(右から2人目)は、サプールの写真展を日本で開催した後に、「日本の写真家がサプールの写真を撮りに来て、さらに4人のサプールがイベントのために日本に招かれた」と振り返った。そのうえで「写真でも、そんな力があるのだから、アクションを起こせばアフリカに関わることはできるだろう」と語った。
偽造薬対策のために薬の品質を確認する検査機器を開発・販売している薬剤師のフランク・ベルゼフ氏(左から2人目)は、アフリカでの日本企業の成功例が少ないとの指摘について、「個人事業や起業家など、もともと現地で活動している人との連携にサクセスがあるのではないか」と話していた。アフリカでは総じて、日本に対する期待が大きいとの指摘ではサコ氏、ムアンダ氏、ベルゼフ氏とも共通していた。
この日の行事は神戸市が主催する「アフリカ月間 in 神戸」の一環で開催した。同時に「アフリカ開発を加速させるビジネスアイデアコンテスト」も開催。最終選考会として5チームが事業のアイデアを発表した。結果は11月12日に開催する「グランドフィナーレ」で発表する予定だ。あわせて表彰式も開催する。
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