山下奈良知事「既成概念を打ち破られた」 斎藤知事と兵庫県モデルオフィス視察

20231011モデルオフィス

【神戸経済ニュース】奈良県の山下真知事は10日に兵庫県庁の生田庁舎(神戸市中央区)で実施している新しい働き方のモデルオフィスを視察し、「何かすごく既成概念を打ち破られた思い」と感想を述べた。「役所のオフィスという感じが全然せず、先端的なIT(情報技術)企業のオフィスみたいだ」と印象を語った。奈良県庁でも「こういったオフィスを作ろうということで取り組みを始めているところ」といい、「きょう見たことは生かせるんじゃないか」と話していた。(写真は職員が自由な場所で働く様子を視察する山下知事=左から2人目=と斎藤兵庫知事=左)

 山下知事が16年ぶりの新たな知事として就任して受けた奈良県庁の印象は、自由な発想が嫌われ、過度に失敗を恐れるあまり変化や新しいことを避ける、ことなかれ主義が広がっていたという。結果として長期病休者の割合が全国でトップクラスだったり、中途退職者の比率が高かったりと、キャリア形成が順調でないのが現状という。結果として採用試験の倍率が低下するなど、県庁内外に魅力的な職場だと思われていなかった。このため山下氏は「働き方か改革」に乗り出す必要があると判断した。

 全国知事会や関西広域連合で、たまたま兵庫県の斎藤元彦知事(写真左)と席がとなりになることが多く、雑談の中などから兵庫県が6月からモデルオフィスの取り組みを始めたことに山下氏が興味を持ったという。テレワークの導入にも前向きで、「先行事例として、どのようなメリット、デメリットがあるか情報共有してほしい」と斎藤知事に話していた。兵庫県は出勤者数を職員の4割に減らし、残りの職員が自宅からテレワークで仕事をすれば、本庁舎1・2号館の解体後に新庁舎建設は不要になると見積もる。

 山下氏を案内した斎藤氏は、改めてモデルオフィスを見回して「思ったより紙の書類が使われず、ペーパーレスが進んでいる。(モデルオフィスの取り組みが)順調に行っているようだ」と話した。現時点で指摘された課題はコミュニケーション関係が多いという。たとえば近くの先輩に「ちょっと教えてください」と話しかけにくくなった。ただ兵庫県ではパソコンを新たに置き換える時期がまもなく。これを機に、それぞれが電話番号を持ち、携帯電話回線に接続できるノートブック型パソコンを業務用に支給することで、かなり課題を解決できるとの見方も示した。

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