川重、グラインダーを遠隔操作するロボシステム初納入 函館市の鋳物メーカーに

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【神戸経済ニュース】川崎重工業(7012)は遠隔操作で溶接後の研削などに使うグラインダーの遠隔操作ができるロボットシステム「Successor-G」を、このほど初めて納入したと発表した。納入先は函館市の鋳物製造メーカーである村瀬鉄工所。主として鋳物を製造した際にできる本来不要な薄いヒレのような部分「バリ」を削り取るのに使う。自動化が難しいとされていたグラインダーをロボットを通じて遠隔操作することで、作業員の負担を軽くする。(写真はデモ機での作業の様子=川重提供)

 グラインダー作業は保護具を着用して高速回転する刃物を長時間あつかう作業で、粉塵や火花が多く発生する過酷な作業。最近の人手不足・後継者不足もあって機械化が求められている分野である半面、美しく仕上げるには職人の経験や勘に頼るとされる部分が多く、自動化・機械化などは難しいと考えられてきた。

 だが川重のロボット部門が開発した遠隔操作のロボットシステム「Successor(サクセサー)」をベースに、造船などを担当するエネルギーソリューション&マリンカンパニーの鋼製構造物の製造ノウハウと、技術開発本部のソフトウエアを融合することで、グラインダー作業の遠隔操作技術を開発した。快適で安全な場所から操縦機を使って、ロボットを思い通り動かして作業できるようになった。

 遠隔操作とあってロボットに作業を覚えさせる必要がないこともあり、作業対象にばらつきが大きい溶接構造物や鋳物に対応しやすいのも特徴だ。価格は「操縦機とロボット本体」1組の標準仕様で5000万円。ただ原材料高などを受けて値上げを検討している。川重によると村瀬鉄工所は、函館市の「IT・ロボット等活用生産性向上補助金」を活用して、今回のロボットを導入したという。

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