酪農由来メタンを循環でCO2ゼロに MORESCOなど北海道・興部町に構築

【神戸経済ニュース】MORESCO(5018)と大阪大学、岩田地崎建設(札幌市中央区)、北海道興部町の4者は、家畜のふん尿から発生する酪農由来のバイオ・メタンガスから、常温・常圧の状態で「ギ酸」とメタノールを連続的に製造する設備を構築すると発表した。地球温暖化係数が二酸化炭素の25倍と大きいメタンガスを、飼料添加剤として使うギ酸に変換し、興部町の基幹産業である酪農で二酸化炭素(CO2)実質排出ゼロ(カーボンニュートラル)の循環型システムを実現する。

 大阪大学が開発した世界初の「メタン酸化技術」を活用する。メタンガスを光と二酸化塩素で空気中の酸素と反応させて、ギ酸とメタノールに分解する。MORESCOなど4者は「興部カーボンニュートラルイノベーションコンソーシアム(OCNIC)」で推進し、2026年3月末まで3年かけて実用化に近い規模の実証施設(パイロットスケール)装置を構築する計画だ。建設には北海道が公募した「ゼロカーボン・イノベーション導入支援事業」による補助を受けることが8月に決まっていた。

 MORESCOは、合成潤滑油や流動パラフィンの合成・生成で蓄積した、連続反応の技術や腐食性の高い共産の取り扱いといったノウハウを投入し、プラントの設計とシステムの最適化を担当。ギ酸の生産性を向上させる。今回の取り組みは酪農の強化、資源循環、新産業の創出、バイオガスプラントの普及などにつながるとみており、日本全体の脱炭素にも貢献できるとみて推進したい考えとしている。輸入に頼っていたギ酸を国産化することで、ギ酸のサプライチェーン(供給網)の脱炭素化にもつなげる。

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