川重、水素ガスタービンの熱電併給システム 「ドライ式」で世界初
- 2023/09/06
- 03:36
【神戸経済ニュース】川崎重工業は5日、燃焼時に水噴射しない「ドライ式」で水素だけを燃料にできる1.8メガワット級のコージェネレーション(熱電併給)システム「PUC17MMX」を発売したと発表した。ドライ式で水素だけを燃料にする熱電併給システムの販売は世界で初めてという。天然ガスに比べて燃焼速度が速く、燃焼温度が高い水素の特性に起因する、水素を燃焼するときに課題になる「窒素酸化物(NOx)の増加」と「燃焼機の過熱」を、水噴射なしに解決したガスタービンを組み入れたのが特徴だ。
複数の小さな噴射口から燃料を小分けにして噴射する「マイクロミックス燃焼」と、その下流に燃料を追加で投入する「追焚き燃焼」を組み合わせたガスタービン「M1A-17」を採用(図=川重提供)。NOx排出量を安定して規制値以下に低く保つ。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ドライ低NOx水素専焼ガスタービン技術開発・実証事業」「水素CGSの地域モデル確立に向けた技術開発・研究」で開発した技術を活用した。燃焼機の温度を下げるための水噴射をしないことで、燃焼エネルギーのロスがなくなり発電効率が向上する。
水素と天然ガス(13A)の混合ガスを燃料に運転(混焼運転)することもできる。水素を体積比で50%〜100%までの任意の割合に混合して利用できるため、水素の供給量などに応じて臨機応変に対応できるのも特徴だ。水素が100%の場合に発電出力は1.786メガワット、水素が50%の場合は1.744メガワットの出力を想定する。
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