ネスレ日本、中距離でも貨物列車を利用へ JR貨物など合意・24年問題に対応

20230905ネスレ調印式

【神戸経済ニュース】ネスレ日本は2024年2月から自社商品などの輸送について、貨物量の多い走行距離500キロメートル以下の中距離輸送でも、段階的に貨物列車よる輸送を拡大することで、JR貨物グループと合意した。トラックドライバーの労働時間管理を厳格化する物流の「2024年問題」に対応したトラックドライバーの負担軽減と、輸送時の二酸化炭素(CO2)排出削減がねらい。

 関係する4社による「パートナーシップ調印式」を1日に、神戸市中央区のネスレ本社で開いた(写真=ネスレ日本提供)と発表した。調印式に出席したのはネスレ日本の深谷龍彦社長(写真左から2人目)、JR貨物の犬飼新社長(同左から3人目)、JR貨物傘下の物流会社である全国通運の永田浩一社長(同左)と日本運輸倉庫の柏井省吾社長(同右)。調印後に記念撮影した。

 ネスレ日本は09年から製品の輸送に鉄道を活用。島田工場(静岡県島田市)から九州への約800キロメートルや、同工場から中国地方への約500キロメートルといった長距離のルートで、ネスカフェのペットボトル入りコーヒーなどを輸送している。今後は島田工場から百済貨物ターミナル(大阪市東住吉区)を通じた近畿地方や、霞ヶ浦工場(茨城県稲敷市)からJR貨物駅隅田川駅(東京都荒川区)を経由した東北方面への輸送などにも貨物列車を使う。貨物列車の走行距離は200キロ〜350キロメートルを中心帯と想定する。

 いちどで多くの貨物を運べる貨物列車は、CO2排出量がトラック輸送の約11分の1、船舶輸送の約2分の1にとどまり、鉄道の活用は環境負荷の軽減につながる。ただ一般にはコストなどの問題から、鉄道が有利になる長距離ほど鉄道を使う傾向にあるとされてきた。ネスレ日本では今後、より貨物の多い中距離輸送も鉄道にシフトして、トラックドライバーの長距離運転による負担をさらに減らしたい考えだ。

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