神栄とメディセオ、最新物流拠点に機器の異常検知システム アルゴリズム共同開発

【神戸経済ニュース】医薬品卸最大手のメディパルホールディングス(7459)は1日、同日完成した事業会社メディセオの最新鋭の物流拠点「阪神ALC」(西宮市)に、神栄(3004)の子会社である神栄テクノロジーと共同開発した、荷役を自動化する物流機器(マテリアルハンドリング機器=マテハン機器)の異常検知システムを導入したと発表した。振動などの常時監視と独自のアルゴリズム(計算式)で、経年劣化とは異なる、突発的に発生した異常も検知できるのが特徴だ。

 マテハン機器には多くの電動モーターやギアがあり、摩耗や異物の噛み込みなどで一定の割合で不具合が発生する。だが機器の停止は物流業務の停滞につながり、軽微な故障でも復旧に数十分、重大な故障だと数日かかるケースもあるという。このため長時間の機器の停止につながる故障を未然に防ぎ、メンテナンスするためのシステムは従来もさまざまに開発されてきた。

 ただ従来のシステムでは経年劣化による振動の増加で、部品の交換時期を知らせるといった警告はできても、物が当たって破損することなどによる機器の状態変化など、突発的な故障を検知するのは難しかった。今回、メディセオと神栄テクノロジーは、こうした突発的な故障を検知するアルゴリズムを共同で開発し、特許を申請。より大きな故障につながりやすい小さな故障を早く見つけることで、物流が停滞する事態を避ける。

 新たなマテハン機器の異常検知システムは、阪神ALCで試験的に稼働している。今後は故障予知のデータを取得しながら、他の必要な機器にも異常検知システムの導入を進めたい考えだ。さらにはメディパルグループが保有するマテハン機器全体を安定稼働できるよう、全ALCへの導入をめざす。

 メディパルと神栄は2021年12月、医薬品など温度管理の適正化が求められる流通の場面で、新たなセンサーや試験機の開発を目的に業務提携契約を結んでいた。

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