シスメックス、アミロイドβ測定の試薬を米国向け提供開始 臨床使用で初事例に

【神戸経済ニュース】医療用検査機器のシスメックス(6869)は29日、血液中にあるアルツハイマー型認知症の原因物質とされるタンパク質「アミロイドβ(ベータ)」を測定する試薬について、米臨床検査会社ラボラトリー・コープ・オブ・アメリカ・ホールディングス(ラブコープ)向けに提供を開始したと発表した。ラブコープは、未承認でも独自の品質管理規程に基づいて臨床検査を実施する米国の枠組み「LDT」で、シスメックスの検査試薬を使用する。シスメックスのアミロイドβを測定する試薬を、臨床の現場で使用する初の事例になる見通し。

 アミロイドβを測定する試薬は、欧州で昨年6月に薬事承認相当であることを宣言。日本では昨年12月に薬事承認を取得。日本では今年6月に発売していた。エーザイ(4523)と米医薬品大手バイオジェンが開発した、脳内のアミロイドβを取り除いて認知症を治療する「レカネマブ」(商品名レケンビ)を処方する前に、脳内にアミロイドβが蓄積されているかを判断する際などにシスメックスの今回の試薬が役立つ見通し。

 米国では承認に先駆けて臨床に使われることになる見通しだが、引き続き米食品医薬品局(FDA)による承認取得もめざす。日本に続きFDAで承認を取得すれば、世界的な対外診断用医薬品として展開できるようになる。

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・シスメックス「血液で認知症の兆候」検査試薬を発売 保険適用めざす (2023/06/23)

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