UNDPアフリカ局長「アフリカ工業化で産業大国の日本に期待」 神戸でシンポ

20230824AFRIシンポ

【神戸経済ニュース】国連開発計画(UNDP)のアフリカ局長であるアフナ・エザコンワ氏は23日に神戸市で開いたシンポジウムで講演し、貧困の解消を目的とした「アフリカの工業化には、産業大国である日本が重要な役割をはたすことができる」と期待を述べた。豊富な資源の輸出に偏ってきたアフリカ諸国の経済構造を転換して「メード・イン・アフリカ」を増やすことを通じ、現在は雇用不足のアフリカで「若者と女性に多くのチャンスをもたらす」と指摘。単なる援助ではなく、公平な就業機会を生み出すことこそ、アフリカの支援に求められると主張した。

 講演に続くパネル討論ではエザコンワ氏に加え、パソナグループ(2168)の青田朱実執行役員、UNDPのクダクワシェ・チンゴノ調整官、神戸情報大学院大学(神戸市中央区)に留学している大学院生のデルフィーヌ・ムカヒルワ氏がパネルとして参加。神戸情報大学院大学の内藤智之副学長が司会を務め、「アフリカの若者への投資」をテーマにしたエザコンワ氏の講演を受けて議論した(写真=右からエザコンワ氏、青田氏、チンゴノ氏、ムカヒルワ氏、内藤氏)。

 日本政府によるアフリカからの留学生を受け入れる事業「ABEイニシアティブ」(ABEはAfrican Business Educationの頭文字)を打ち出した2013年以降、日本の大学院で学ぶアフリカの留学生は増えている。アフリカの工業化を日本が支援する際には、日本や日本企業に理解がある留学経験者がアフリカ側の窓口になり得る。議論では、日本とアフリカの間の関係を「助成や援助といった形から、パートナーシップへと変革」する必要があり、これが25年に横浜市で開催する第9回アフリカ開発会議(TICAD9)での課題になるとの指摘もあった。

 シンポジウムは国際協力機構(JICA)、神戸情報大学院大学、UNDPの3者が共同で主催した。TICADの関連行事である「アフリコンバース」として開催。東京以外の都市で開催する初めてのアフリコンバースになった。神戸情報大学院大学がABEイニシアティブによる留学生を、全国で2番目に多く受け入れているほか、神戸市がルワンダの首都キガリ市と16年にパートナーシップ共同宣言を結ぶなど、アフリカと関係を深めていることで実現した。

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