兵庫県の22年度、一般会計は実質44億円の黒字 税収最高・県債残高8年ぶり減

20230821兵庫県債残高グラフ

【神戸経済ニュース】兵庫県が21日に発表した2022年度の決算は、一般会計の実質単年度収支が44億円の黒字(20年度は217億円の黒字)だった。県税収入が9077億円(20年度比340億円増)と想定以上に増え、2年連続で過去最高を更新。そのうえで新型コロナウイルス対策に費用が減ったことで、地方交付税、国庫支出金、県債発行による収入がいずれも減額だったのを補った。新型コロナ緊急包括支援交付金を活用した事業の実績減で167億円をのちに返還する必要があり、この分を除くと実質単年度収支は60億円の黒字になる。

 一般会計の歳出規模は21年度に比べて5596億円減(17.8%減)の2兆5775億円だった。新型コロナウイルス対策に伴う、飲食店向け協力金やワクチン接種会場の賃料などを含む行政経費が41.4%減の3702億円と大幅に減少した。退職者数の減少による退職手当の減少で、人件費は微減だった。公債費は、臨時財政対策債の償還を目的として県債管理基金に積み立てるための交付金がなくなったことなどで、818億円減少(23.6%減)の2653億円だった。一方で社会保障関係費は5.5%増の3626億円と伸びた。

 歳入規模は5613億円減(17.7%減)の2兆6086億円だった。国からの地方交付税は1327億円(25.0%減)の3977億円になった。県債管理基金への交付金がなくなったのが主因。これに加えて「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」が減少し、国庫支出金も37.4%減の4320億円と減少した。一方で増加した県税収入のうち、企業業績の回復で法人関係税は163億円増(9.6%増)の1858億円、地方消費税は輸入の増加による貨物割の増加によって17億円増(0.7%増)の2617億円だった。

 22年度の兵庫県債発行額は20年度に比べ1171億円減の1786億円だった。22年度の発行額のうち、本来は国が兵庫県に支払う地方交付税の代わりに発行する「臨時財政対策債」が474億円と、21年度に比べ1077億円減少したのが影響した。23年3月末時点の県債発行残高は5兆0025億円と、前の年度末に比べて390億円減少した。8年ぶりの減少だ。臨時財政対策債の残高は3月末時点で1兆7483億円と、1年前に比べて36億円減少した(グラフ)。

 実質収支の黒字は継続しているが、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づく健全化判断比率の1つである「将来負担比率」は326.4%と、21年度に比べて11.3%上昇。将来返済が必要な負債や赤字の規模と、財政の規模を比較して算出する指標で、財政規模の縮小に伴い悪化した。法律で定める早期健全化の基準である400%は大きく下回っているとはいえ、依然として他の都道府県との比較で引き続き最下位近辺の水準で推移するとみられる。

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