4社が上方修正、値上げに一定の理解か 神戸の上場会社・4〜6月期決算

【神戸経済ニュース】神戸市に本社を置く上場会社の4〜6月期決算が出そろった。発表した3月期決算会社33社のうち、フジッコ(2908)、神戸製鋼所(5406)、ノザワ(5237)、山陽電気鉄道(9052)の4社が、2024年3月期の業績予想を早くも上方修正した。下方修正した会社はなかった。上方修正した企業の共通するのは「値上げ」だ。今回、業績予想を据え置いた会社の間でも、値上げが収益の改善に寄与した会社は目立った。対企業取引の需要家や消費者が値上げに一定の理解を示したと読み取れそうだ。

 総菜大手のフジッコは上方修正で、一転の増益見通しになった。3月1日に家庭用の製品およそ50品目を平均10%程度値上げしたが、販売数量が値上げ前とほぼ変わらなかった。当初は値上げによる販売減を想定していたが、値上げで採算が改善する中で販売数量が想定を上回った。建設資材のノザワは、昨年6月に実施した主力の壁材で押し出し成形セメント板「アスロック」全商品の値上げが、ここに来て浸透。採算改善に加えて販売数量が伸び、大幅な増益につながる見通しとした。

 3月期の会社以外でもモロゾフ(2217)が7月28日に2〜7月期、六甲バター(2266)が7月31日に23年12月期の業績予想を、それぞれ上方修正した。フジッコと同様に、値上げで需要が減少すると想定したが、当初の想定ほど落ち込まなかったのが業績予想を見直した主因だ。新型コロナウイルスの影響が後退するなかで外出が増えたのが寄与した山陽電も、鉄道駅バリアフリー料金制度で運賃を一律10円ずつ値上げしていた。

 新型コロナの感染拡大を受けて抑制されていた消費の繰り延べ需要も継続しているもようで、これが値上げを後押しした面もあるとみられる。ただ神戸市内の3月期会社33社のうち、16社が4〜6月期に最終赤字または最終減益。黒字転換・増益の17社と拮抗する数字になった。中国景気の悪化や原材料高など、足元の事業環境の逆風を乗り越えて収益を拡大する会社が増えるかは、引き続き見極めが必要になりそうだ。

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