神戸鋼、今期純利益65%増に上方修正 17期ぶり最高益へ・配当は前期の2倍超

20230809神戸鋼

【神戸経済ニュース】鉄鋼大手の神戸製鋼所(5406)は8日、2024年3月期の連結純利益が前期比65%増の1200億円になる見通しだと発表した。従来予想の1000億円から上方修正し、07年3月期以来17期ぶりに最高益を更新する。発電用石炭の価格下落などで、電力事業の利益が従来想定を大幅に上回る。子会社の土地売却も寄与。情報技術(IT)・半導体分野での需要減に伴い、鉄鋼・アルミ板の販売数量減や在庫評価益がなくなることなどによる減益を吸収するとみている。

 売上高は5%増の2兆5900万円、営業利益は91%増の1650億円を見込む。従来予想は2兆6800億円、1500億円だった。中国で自動車の電動化(EV化)が進み、日系自動車メーカーの海外生産が減少するなど、素材や素形材を中心に販売面では厳しい情勢だ。ただエネルギー価格の下落など、調達コストが改善する見通し。原料炭である「強粘炭」は23年4〜6月期の四半期契約価格が283ドルと、価格がピークだった1年前の4〜6月期に比べて47%下落した。

 未定としていた配当金は年間で前期比50円増配の90円と、前年同期(40円)の2.25倍に引き上げた。中間配当は45円と、前年同期の3倍になる。従来は配当性向の目安を「15〜25%程度」としていたが、今後は30%程度を目安に引き上げることも、今回の決算発表と同時に正式に表明した。

20230809神戸鋼セグメント

 同時に発表した23年4〜6月期の連結決算は、純利益は21%増の254億円だった。原料炭価格の下落と値上げの浸透による鉄鋼のメタルスプレッド(仕入れ価格と販売価格の差)が大幅に改善したほか、神戸発電所4号機の稼働などが寄与した。売上高は10%増の5986億円、営業利益は4.2倍の340億円になった。

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