ノザワ、今期純利益91%増に上方修正 数量増に昨年の値上げ浸透で

20230804ノザワ

【神戸経済ニュース】建設資材大手のノザワ(5237)は4日、2024年3月期の連結純利益が前期比91%増の9億3000万円になる見通しだと発表した。従来予想の7億3000万円から上方修正し、増益幅が拡大する。4〜6月期の販売数量が好調に推移し、同様の需要が期末まで続くと想定を見直した。石綿含有建材による健康被害について建材メーカー12社に賠償金の支払いを命じる地裁判決を受けて、特別損失に3億7700万円年債の引当金を計上したのを乗り越えて上方修正した。

 売上高は12%増の235億円、営業利益は92%増の19億円を見込む。昨年6月に実施した、主力の壁材で押し出し成形セメント板「アスロック」全商品の値上げも、ここに来て浸透。採算が改善したところで販売数量が増加し、大幅な増益につながる見通しだ。一方で原材料価格、電力・ガス料金は高止まりしているが、期初の想定通り推移しているという。工場での生産効率向上などコストダウン効果も出ており、利益の支えになる。

 同時に発表した2023年4〜6月期の連結決算は、最終損益が7300万円の赤字(前年同期は2億1900万円の黒字)になった。石綿含有建材を巡る訴訟の地裁判決を受けて、引当金に特別損失を計上したのが響いた。売上高は前年同期比20%増の57億円、営業利益は56%増の4億6300万円だった。

 石綿含有建材を巡る訴訟は大阪地裁で6月30日に判決があった。建設従事者と遺族が、ノザワを含む複数の建材メーカーなどに損害賠償金を請求。判決では原告が訴えを一部認めて、健康被害に対する賠償金の支払いを命じた。ノザワは大阪高裁に控訴したという。

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