兵庫県の財政調整基金、残高127億円に 知事「機動的な予算化しやすい」水準
- 2023/08/01
- 14:31
【神戸経済ニュース】兵庫県の斎藤元彦知事は就任3年目に入った1日の記者会見で、同県の財政調整基金では24年3月末に127億円と、1994年度末(95年3月末)以来29年ぶりに残高が100億円を超える見通しを明らかにした。阪神淡路大震災後に一時は残高300万円とほぼ枯渇した基金の残高は、ここに来て徐々に回復。現時点では約66億円の残高がある。2022年度の決算で、財政調整基金に積み立てられる剰余金が約60億円発生する見通しになったという。
財政調整基金の残高を100億円まで回復させることは、斎藤知事が21年の知事選に出馬した際に掲げた公約の1つだった。同基金は一般に、年度間の財源の不均衡を調整するための基金だ。不景気で税収が急減した場合や、災害対策、大規模な事業の経費などの財源として活用する。斎藤知事は、財政調整基金の残高について、「100億円ぐらいあれば(急な支出があっても)機動的にぱっと予算化しやすい」と話す。
新型コロナウイルスの感染拡大で、飲食店向けに最初に休業を要請した際、中小飲食店向けの支援金で大阪府と兵庫県に対応する速さに差が出たのは、大阪府の同基金残高が1000億円超だったのに対し、兵庫県は30億円程度だったため「財源の裏付けがなかったというのが私の見立て」と指摘した。兵庫県の財政規模からみて、100億円程度の基金残高は小さいとはいえ、「一定規模の残高は確保できた」形になった。
23年度末に財政調整基金に積み立てられる剰余金およそ60億円の内訳は、約30億円が税収の上振れに伴うもので、残りの30億円が支出の削減に伴うものだった。支出の削減には、退職手当や社会保障関係費の減に加え、会議や審議会などのリモート開催による旅費の削減、資料のペーパーレス化による諸費用の削減や事務効率化が寄与した。
あわせて兵庫県は22年度の歳入総額2兆6086億円、歳出総額が2兆5776億円になったようだと発表した。歳入は21年度に比べて5614億円減少、歳出は同5597億円減少した。新型コロナ対策の経費が減少したことなどで、予算規模が小さくなった。ただ21年度に次ぐ、過去2番目の規模の決算になったという。経済社会活動の正常化が徐々に進んだことなどで、税収は9076億円と過去最高になった。詳しい決算は改めて発表するという。
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