商船三井など神戸港コンテナターミナル拡張 川崎汽はポーアイ移転・25年度に

20230726神戸港コンテナターミナル

【神戸経済ニュース】商船三井(9104)、川崎汽船(9107)、ふ頭管理会社の阪神国際港湾(神戸市中央区)の3社は26日、神戸港ポートアイランドのコンテナターミナルの拡張・整備について基本合意したと発表した。現在PC15〜17区画の岩壁を借り受けて、商船三井が山九(9065)、住友倉庫(9303)、ニッケル・エンド・ライオンス(神戸市中央区)と共同で運営している「神戸国際コンテナターミナル(KICT)」をPC14〜17区画に拡張。これに現在は六甲アイランド(神戸市東灘区)でコンテナターミナルを運営する川崎汽船がKICTに参加する。

 拡張後のKICTは、20フィートコンテナ換算で年間85万〜90万個のコンテナを取り扱うことができるようになる。従来の75万個から取り扱い個数は2割程度増え、神戸港での外貿コンテナ(22年に約220万個)の約4割を取り扱う、西日本最大規模のコンテナターミナルになる。拡張すると岩壁の総延長が現在の1050メートルから1750メートルに伸び、より柔軟に大型コンテナ船に着岸場所を提供できたり、他航路への積み替え用の船舶を着岸させる余地も広がる。水深15〜16メートルの高規格岸壁だ。拡張整備工事は2025年度に完成する見通し。

 背景には神戸市や阪神国際港湾などが進めているコンテナターミナルの拡張工事がある。対岸では上組が「上組神戸コンテナターミナル(KGKT)」として使用している区画「PC18」の拡張工事が完成する。これを機に上組は、現在使用しているPC13区画を返上してコンテナターミナル機能をKGKTに集約。空いたPC13には現在PC14を使用している日新(9066)が移動する。これでPC14が空くことから商船三井などのKICTを拡張できるようになる。このため現在は六甲アイランドにある川崎汽のターミナルの移転、統合を受け入れることもできる。

 新たなKICTには後付けの燃料電池でも駆動できる、ゴムタイヤ式の門型のガントリークレーン(RTG)や、太陽光パネルを使った再生可能エネルギーの電力供給、現在PC18などで試験運用しているコンテナターミナルの効率化をめざす港湾情報の新システム「CONPAS(コンパス)」などの導入を予定。環境にも配慮した最新鋭のコンテナターミナルになる計画だ。ターミナルと直結した荷さばき上屋、天井にクレーンが付いた大型貨物も取り扱える物流施設も併設する。これらの施設運営は商船三井傘下の商船港運が担当する。

 現在は川崎汽がコンテナターミナルとして使っている六甲アイランドの区画RC4、RC5について、川崎汽の移転後の用途は現時点で決まっていない。25年度の移転までに神戸市や阪神国際港湾などが調整する見通しだ。

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