H2Oリテイと神戸市が包括連携協定 夜間景観形成や三宮の回遊性向上など

20230719神戸市H2O会見

【神戸経済ニュース】阪急百貨店やスーパーの阪急オアシスなどを展開するエイチ・ツー・オーリテイリング(H2Oリテイ、8242)と神戸市は19日、持続可能な街づくりを巡って包括連携協定を結んだと発表した。都心三宮に立地する百貨店「神戸阪急」を中心に、照明や道路の活用などで市街地の活性化をめざす。加えてH2Oリテイの店舗網を活用したスタートアップ支援や、神戸の産品(神戸ブランド)に関する情報発信にもつなげたい考えだ。

 神戸市の久元喜造市長(写真右)とH2Oリテイの荒木直哉社長(同左)が記者会見して発表した。久元喜造市長は、再開発によって「三宮だけでなく周辺の旧居留地やウォーターフロント(新港・湾岸地区)も変わるので、(協定に基づく事業で)神戸阪急が回遊性を高める拠点の役割をはたしていただけるのではないか」と話した。包括連携協定をきっかけに「三宮にお客さんが来るということの重要性がパワーアップすることを期待している」とも述べた。

  H2Oが自治体と包括連携協定を結ぶのは大阪府、宝塚市、川西市に続いて4団体目になる。荒木社長は神戸市について「神戸阪急、阪急オアシス、イズミヤ、関西スーパーなど当社グループの主要な店舗が21店舗が立地する重要な拠点」と説明。加えて「個人的にも神戸市中央区出身で現在も市内在住の神戸市民のひとり。震災から復興し、いよいよ魅力的な街づくりを進める神戸市と思いは1つ」と強調した。

 連携には「上質で明るい夜間景観の形成」「まちにとずれる人々の回遊・交流の活性化」「神戸らしさに出会える緑豊かなまちづくり」「スタートアップ支援」「市政情報や市の施策、神戸ブランドの発信」の5点を盛り込んだ。神戸阪急周辺のライトアップは今年度から順次開始し、26年3月に完成予定。車道の一部にベンチなどの休憩施設を設置する「パークレット」設置の社会実験を24年3月から始める。

 加えて神戸阪急では壁面・屋上緑化に取り組むほか、神戸阪急2階グランパティオ(歩道橋直通の広場)やイズミヤ西神戸店(神戸市にしく)を神戸市が支援するストリートパーフォーマー向けに発表の場として提供する。このほか阪急オアシス神戸三宮店では、引き続き飲食店などの開業をめざす料理人に販売スペースを貸し出す「食のスタートアップ支援」にも取り組む。

 阪急百貨店は1995年に発生した阪神淡路大震災で当時の阪急三宮駅ビルが倒壊したことで、三宮から撤退。2017年に当時の「そごう神戸店」をH2Oが引き継いで、三宮に再進出した形になった。同店は19年10月に「神戸阪急」に屋号を改めた。現在は80億円を投入したリニューアル工事を実施しており、今秋に完了する見通しだ。

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