川重、病院内の配送業務を自動化で試行サービス開始 正式サービスと同内容で

20230710川重藤田医大ロボ

【神戸経済ニュース】川崎重工業(7012)は10日、藤田医科大学(愛知県豊明市)、ロボット警備システムのSEQSENSE(シークセンス、東京都千代田区)と共同で、ロボットを使った屋内配送の試行サービスを藤田医科大学病院で同日開始したと発表した。川重とシークセンスが開発した屋内配送向け配送ロボット「フォーロ」(写真=川重提供)3台が24時間稼働し、病院内で検体や薬剤を配送する。今回は正式サービス時と同じ台数のロボットを稼働させ、配送の頻度や量、周囲への影響などを改めて確認する。

 川重と藤田医科大などは2021年10月、22年2月、同8月、同12月と4回の実証実験によって、ロボットによる医療従事者の負担軽減と業務効率化をめざした。実証実験で検証した結果を反映して、今回は正式サービスと同じ内容で配送サービスを稼働。問題なければこのまま正式なサービスにつなげたい考えだ。7月中はロボットに人が同伴する形で、8月はロボットを人が常時遠隔でそれぞれ監視するが、9月以降はロボットの監視担当者を配置せずに稼働させて、本番サービスと同じ条件にする。

 ロボットは広範囲の人や物を感知し、外来患者が多い日中の混雑時間帯でも安全に走れるようにした。ドアの開閉やカート・ベッドの有無など病院特有の環境変化の多さにも対応する。病院での常時運転では全国で初めて「エレベーターでの人とロボットの相乗り」を実現。混雑したエレベーターを見送ったり、手動操作などでベッドを優先させるためにロボットをエレベーターから降ろしたりすることもできる。混雑していない環境では、安全を確保しながら高速モードに切り替わることもできる。

 川重としてはロボットの提供にとどまらず、ロボットを使ったサービスとしてのソリューション(課題解決)を提供するケースになる。引き続き藤田医科大学病院での正式サービス導入をめざすとともに、人手不足などの社会課題を解決する効果的なソリューションとして、配送ロボットの事業を進める方針という。

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