橋本川重社長、今期業績予想「為替相場が前年並みなら実質増益に」 株主総会

【神戸経済ニュース】川崎重工業(7012)の橋本康彦社長は28日午前に神戸市内で開いた株主総会で、2024年3月期の連結業績予想(国際会計基準)について説明し、「為替相場が前年並みなら実質増益になる」との見通しを改めて述べた。同社は今期の連結純利益を前期比15%減の470億円になると見込む。ただ予想の前提である為替レートは1ドル=130円。一時1ドル=144円台まで下落した現在の水準が続くようなら、今期の収益は上振れもあり得るとの認識を強調した形だ。

 株主からは、シスメックス(6869)との共同出資会社で展開している手術支援ロボット「hinotori(ヒノトリ)」や、水素事業について他社に比べた強みを聞く質問があった。橋本社長は「医師らの改善要望に応じている手術支援ロボットはヒノトリだけで、高い評価を受けている」「40年前から水素に携わっており、自社で水素を『作る』『運ぶ』『使う』のすべてを持っているのは当社だけ」などと説明し、優位な状況にあると説明した。

 米マイクロソフトが2023年秋ごろまでに神戸市内で、道具やセンサーなどをネット接続して常時情報監視・取得する「IoT」や人工知能(AI)分野の研究開発拠点を開設する計画についても質問があった。中谷浩副社長が、川重とマイクロソフトの間いで「新たな環境で産業用ロボットを動作させる『インダストリアル・メタバース』で連携をすすめている」と説明。製造現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)に活用したい考えとした。会場での質問者数は7人だった。

 出席株主数は213人と、昨年(135人)よりも多かった。希望する株主は会場の様子をライブ動画で見られるようにしている。川重の株主数は12万人を超える。議決では取締役の選任など3議案を会社提案通り承認、可決した。午前10時に始まり、午前11時38分に終了した。所要時間は1時間38分で昨年(59分)よりも長かった。

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