六甲ミーツ・アート「関西を代表する芸術祭に」 作品数や展示場所など拡充

20230624六甲ミーツアート

【神戸経済ニュース】阪急阪神ホールディングス(9042)傘下の阪神電気鉄道と六甲山観光は23日、2010年から毎年開催してきた芸術祭「六甲ミーツ・アート芸術散歩」の内容を大幅に拡充すると発表した。展示する現代アート作品の数を増やすほか、一部の作品を期間終了後も展示。会場をつなぐ遊歩道や山道沿いへの作品の配置、子供たちがアートに増える行事の開催など、新たな展開で「関西を代表する芸術祭をめざす」(総合ディレクターの高見沢清隆氏)。関係者が23日に大阪市内で記者会見した(写真)。

 現時点で招待32組、公募17組と合計49組の参加が決まっている。かつて松蔭高等学校(神戸市灘区)の教員で神戸・有馬にアトリエを構える椿昇や、公共空間を木材で囲む作品で知られる川俣正など、著名な作家も多く招待する。芸術祭の正式名称も「六甲ミーツ・アート2023 beyond」として、従来より広がった印象を打ち出す。観光客らが現代アートと出会う場として、六甲ミーツ・アートとしての初めての共通テーマも設定。「表現の向こう側(にあるもの)Beyond Representation」とした。

 2025年の国際博覧会(大阪・関西万博)と神戸空港の発着枠拡大、さらに30年の神戸空港への国際空港発着などをにらむ。阪急阪神ホールディングスの角和夫会長は記者会見で、京都では観光客の過剰が指摘される中で「山があり瀬戸内海もある神戸という素晴らしい観光資源に、なぜ目を向けてくれないのか」という視点から、芸術祭の拡充が必要と判断したという。神戸市の久元喜造市長は、芸術祭が「新たなにぎわいが生まれてきた六甲山上の活性化に、きわめて意義がある」と強調。「特別助成」として支援を決めたことを説明した。

 ポスターでは港湾機能と住宅地の奥に森林が写る、港から見た六甲山に芸術祭のロゴを重ねた。「生活と地続きの六甲山で、いろんな価値観に出会っていただくという、場所の特殊性を表現した」(高見沢氏)。会場はROKKO森の音ミュージアムや六甲高山植物園、六甲山サイレンスリゾート(旧六甲山ホテル)など六甲山上の9会場だ。会期は8月26日〜11月23日。開催時間は午前10時〜午後5時だが、会場によって午後5時以降も観覧できる作品がある。9月23日以降は一部で「夜の芸術散歩」も開催する。

 動員目標は、有料会場を割引価格で巡回できる「鑑賞パスポート」の販売ベースで3万人。ただ各施設ごとに入館券を購入する来場者も多い。芸術祭への来場者は総合的にみて、新型コロウイルス感染拡大前の2019年と同程度の約50万人を想定しているという。

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