シスメックス「血液で認知症の兆候」検査試薬を発売 保険適用めざす

20230623アミロイドβ試薬

【神戸経済ニュース】医療用検査機器のシスメックス(6869)は22日、アルツハイマー型認知症の原因物質とされるタンパク質「アミロイドベータ」が脳内にどれだけ蓄積されたかを微量の血液で調べる検査試薬「HISCL β-アミロイド 1-42 試薬」「HISCL β-アミロイド 1-40 試薬」(写真=シスメックス提供)を発売すると発表した。30日に販売を始める。シスメックスの全自動免疫測定装置「HISCL-5000」または「HISCL-800」を使用することで、10~30マイクロリットル(マイクロは100万分の1)と微量の血液を使い、17分と短時間で検査できる。

 エーザイ(4523)と共同で開発。今回の試薬で、患者への負担が少なく短時間でアルツハイマー病の兆候を見極めることができる。脳内にアミロイドベータが蓄積された状況を調べるには、陽電子放射断層撮影装置(PET)で脳内を撮影する方法や、脳髄液を抜き出して判断する方法がある。ただPETでは経済的に、脳髄液を抜き出す方法は肉体的に、患者への負担が大きい。このためアミロイドベータの状況を、簡単に把握する新たな方法が求められてきた。これに応えるのが今回の検査試薬だ。

 製造販売(薬事)承認は昨年12月に取得していた。今後は、多くの患者に受診機会が広がるよう、保険適用されるよう学会などへの働きかけを進める。エーザイと米バイオジェンが開発を進めている「レカネマブ」など、脳内のアミロイドベータを取り除いてアルツハイマー病を治療する動きが広がりつつある。このためアミロイドベータが脳内に蓄積されたかを調べる機会が今後増える可能性が高井。加えて健康診断の際などにアミロイドベータの状況を調べるといった用途にも使われる可能性があるといい、発売されると徐々に用途の開拓も進む見通しだ。

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