神戸製鋼の山口社長、PBR低迷「ぜい弱な財務体質など理由か」 株主総会

【神戸経済ニュース】神戸製鋼所(5406)の山口貢社長は21日午前に神戸市内で開催した株主総会で、同社の株価純資産倍率(PBR)が0.5倍台半ばに低迷している理由について「収益の山・谷が大きく、財務体質がぜい弱であること」「カーボンニュートラル(二酸化炭素の排出量実質ゼロ)に向けた取り組みなど、今後直面する社会課題が不透明であること」の2点があるとの認識を示した。株主の質問に答えて述べた。

 東京証券取引所にはPBRを1倍以上に引き上げることを求められており、これに向けては「中期経営計画でも示してきた安定した収益基盤を確立し、財務体質を改善」するのに加えて、「多様な技術、事業を展開して社会課題に取り組む」と山口社長は説明。さらに「投資家との対話をきちんとしていく」という。

 東証からの要請はPBRの引き上げを含めて4点あり、「資本構成や(PBRへの関心を含む)株価への意識改善」「コーポレートガバナンス(企業統治)の質の向上」「英文開示のさらなる拡充」「投資家との対話」だったという。山口氏は「これまでもやってきた。特に1番目と4番目」としたうえで、「これをさらに拡充すべく取り組んでいきたい」と話していた。

 不適切な出張旅費の精算が判明したため、監査等委員を務める取締役が2月28日に辞任したことについても株主から質問が出た。山口氏は「監査等委員に社内から情報が寄せられた」ことが調査のきっかけになった説明した。2月中旬に全容を把握し、業務と関係のない旅費精算を確認。本人にも聞き取り調査したところ、辞任の申し出があったという。不正に精算された出張旅費は400万円。再発防止策を3月に発表したのと合わせて経緯を説明した。

 株主総会では10人の株主が質問に立ち、経営陣らが答弁した。その後、取締役の選任など会社が提案したすべての議案を可決、承認した。午前10時に始まり、午前11時52分に終了。所要時間は昨年よりも5分長い1時間52分だった。会場に足を運んだ株主は227人。新型コロナウイルスの影響で事前に書面やネットでの議決権行使を呼びかけた昨年は146人だった。同社の株主数は機関投資家も含めて13万7020人。

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