川崎汽など8社の新造ばら積み船、JFEのCO2実質ゼロ鋼材で建造

【神戸経済ニュース】JFEホールディングス(5411)傘下のJFEスチールは20日、東興海運(神戸市中央区)や川崎汽船(9107)など海運8社が新たに建造するばら積み船(ドライバルク船)に、製造過程の二酸化炭素(CO2)排出量が実質ゼロの鋼材「JGreeX」を供給すると発表した。8社は同鋼材のみを使ったばら積み船を建造する。2023年度は、東興海運など3社が建造を予定している4隻に向けて、同鋼材を合計およそ1万4000トン販売する予定だ。

 JFEスチールによると、CO2排出実質ゼロの「グリーン鋼材」だけで建造する船舶は世界で初めてという。

 JFEが供給するCO2排出実質ゼロ鋼材のみで建造するのは、東興海運と川崎汽のほか、日本郵船(9101)傘下のNYKバルク・プロジェクト、商船三井(9104)傘下の商船三井ドライバルク、川崎汽傘下の川崎近海汽船、第一中央汽船(東京都港区)、同傘下の第一中央近海、イースタン・カーライナー(東京都港区)の新造船だ。23年度に建造を始める船舶は、尾道造船(神戸市中央区)と檜垣造船(愛媛県今治市)で建造。まず鋼材は両造船会社に供給する。

 高価でも従来と品質が変わらないCO2実質ゼロ鋼材を使用した貨物船の建造は、誰がコスト増を負担するかが課題だった。JFEスチールは自ら海上輸送する鋼材の荷主として、運賃引き上げを受け入れる形で建造コスト負担の一部を引き受ける。このことで他の荷主や貨物になった商品のユーザーにも、運賃引き上げやコスト負担を促す。こうした供給網全体でコスト負担する事業モデルによって、船舶建造プロセスでの「脱炭素」を推進したい考えだ。

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