アシックス、26年インド売上高1億ドル目標 社長「重点地域は各100億円に」

20230607アシックスインド売上高

【神戸経済ニュース】アシックス(7936)は6日に開催したアナリスト向けの事業説明会で、2026年のインドでの売上高を22年12月期の2.6倍である1億ドルにする目標を掲げていると明らかにした。人口は約14億3000万人と中国を抜き世界最大になったことによる市場の拡大に加え、健康への関心の高まりからランニングを始める人が急増しているという。輸入規制を背景に現地生産も推進する。有名スポーツ選手や芸能人などとの契約で広告宣伝に力を入れる一方で、ネット通販の強化や直営店の増加などでシューズを中心とした販売に攻勢をかける。

 アシックスは2008年にインド最大のマラソン大会である「タタムンバイマラソン」と提携を開始して、インドに本格参入。12年には現地法人を設立し、15年にアシックスブランドの直営店を首都デリーに出店した。19年から現地生産も開始。15年に508万ドルだった売上高は、22年に3802万ドルまで拡大した。04年に2万2000だったタタムンバイマラソンの参加者は、23年に5万9000人まで増やした。加えて22年には人口の29%だった可処分所得が1万ドル以上の中間層・富裕層は30年に47%まで増える見通しと、市場環境はきわめて魅力的だ。

 国民的スポーツであるクリケットの選手と契約し、ユニフォームなどを提供するほか、同社としてもインドでクリケットに関する商品を販売。スポーツブランドとしての認知度を高めると同時に、ムンバイの映画業界「ボリウッド」のスターらとも契約して高級感も打ち出す。26年の売上高1億円のうち50%程度はランニングシューズ、オニツカタイガーは18〜19%、スポーツアパレルが約16%、残りがその他のスポーツ用品などと想定する。現地生産による為替・関税リスクの抑制と、ネット通販の強化で、22年に過去最高の18.8%だった営業利益率を維持する。

 広田康人社長は、長期ビジョンとして掲げた「誰もが一生涯、運動・スポーツを通じて、心も体も健康でいられる世界を新興国においても実現していきたい」と強調。インドに加えて、人口増が顕著で同社の生産を委託する工場も多いインドネシア、さらに中東でも市場は拡大期に入っているという。新興国市場は同社全体の成長をけん引する存在として意識されるほど、成長しつつある。「インドを皮切りに、各重点市場の事業規模を早期に、それぞれ100億円以上へと成長させていく」とインドネシア、中東の事業拡大にも意気込んだ。

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