【神戸経済ニュース】ＪＲ西日本（9021）と都市再生機構（ＵＲ都市機構）は６月１日から８月31日まで、ＪＲ兵庫駅前の賃貸集合住宅「キャナルタウンウエスト」の新たな入居者を対象に、明石〜三ノ宮駅間で使えるＩＣカード型定期券「きっかけエリアパス」を配布する実証実験を実施すると発表した。兵庫駅から通勤する人が多い三ノ宮など東方面だけでなく、西方面の明石まで利用できる定期券を配布することで、鉄道を利用して沿線への外出を楽しむきっかけを作る。

　キャナルタウンウエストは、快速電車も停車するＪＲ兵庫駅から徒歩５〜９分の立地で、家賃は５万6800〜17万200円。1200戸の住宅がある。37階建ての超高層棟１棟を含む全14棟で構成。駅に近いだけでなく、近隣には商業施設も多く利便性の高い住宅団地だ。団地内の中央に運河（キャナル）をイメージした水路を配置して落ち着いた景観を作った。かつての操車場・貨物駅跡の再開発事業として当時の都市基盤整備公団（現在の都市機構）などが計画し、完成したのは阪神淡路大震災後の1999年。

　入居者の多くは三ノ宮や大阪に向けて通勤する。だが、これらの駅と反対方向に、須磨海岸に接続する須磨駅、レトロでおしゃれな街並みが人気の塩屋、魚の棚商店街や明石海峡大橋の壮大な景観が楽しめる明石など、それぞれ魅力を持った街が近い。定期券を配布することで、こうした場所に鉄道を使って出かけるきっかけになるか検証する。５月22日にＪＲ西日本とＵＲで結んだ、両者の強みを生かして交流促進・経済活動の拡大をめざす覚書に基づく第１弾の事業という。

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