日銀神戸支店、景気判断「持ち直し」据え置き 個人消費の回復に広がり

【神戸経済ニュース】日銀神戸支店が12日に発表した5月の管内金融経済概況では、兵庫県景気の基調判断を「持ち直している」とし、昨年11月以来の見方を据え置いた。そのうえで新型コロナウイルスによる行動制限がなくなったことを起点に「個人消費は、回復に向けた動きが広がっている」と指摘した。ただ今後については、欧米の利上げを受けた景気悪化の影響などで、やや不透明感が強まった面もある。

 景気全体としては、総じて新型コロナウイルスの影響が後退したことによる好影響が続いている。消費は順調で、化粧品や高額品などの販売も引き続き好調だ。半導体不足で減っていた新車の納車台数も徐々に増え、新車登録台数は「一段と持ち直している」との見方を示した。5月の大型連休中も観光地各地は活況で、入り込み客数も昨年に比べて軒並み増加した。

 今後は持ち直している消費を企業が取り込み、さらなる賃上げや投資につなげられるかが焦点になる。経済が活性化によって、人手不足の解消に向けた一段の賃上げの可能性もある。省力化・自動化の投資で人手不足に対応するなら、金融機関による支援も必要だ。足元で進む賃上げと消費者物価や企業物価の上昇が好循環につながるかは、最大の注目点になるとみている。

 ただ神戸港貿易統計などの動きから「輸出は、増勢が鈍化している」と、外需に変調の兆しが出ていることを指摘した。生産の動向も持ち直しから「横ばい圏内の動き」に転じたと判断。新型コロナからの経済活動の再開で先駆した欧米は、景気が回復する局面から、利上げが影響した景気悪化を警戒する局面に移った可能性も出てきた。海外景気の動きが兵庫県の経済にどう影響するかについても、引き続き注目すると日銀神戸支店は説明している。

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