ノザワ、今期純利益50%増に 前期に訴訟費用・自主回収費用など特損計上で

20230512ノザワ

【神戸経済ニュース】建設資材大手のノザワ(5237)は12日、2024年3月期の連結純利益が前期比50%増の7億3000万円になりそうだと発表した。前期に特別損失として計上した製品の不具合などを巡る訴訟損失2億3400万円と、製品自主回収の関連費用2億400万円などがなくなる。製品価格の引き上げも進み、事業の採算も改善する見通しだ。年間配当金は前期据え置きの35円(中間なし)を予定する。

 売上高は3%増の215億円、営業利益は14%増の11億円を見込む。前期に低迷した主力の押出成形セメント板「アスロック」の主要な需要先である宿泊施設・商業ビルの着工が回復する見通し。製造コストは前期と同様に高止まりした状況が続くとみるが、製品価格の引き上げが浸透することによる採算改善で、前期よりかは収益性も改善する見通しだ。

 法令の基準を超える有害物質のアスベスト(石綿)が含まれるおそれが高いことが判明した蛇紋岩を材料とする苦土肥料「マインマグ」シリーズは全製品の出荷を停止。自主回収を進めている。

 同時に示した23年3月期の連結決算は、純利益が前の期比72%減の4億8600万円だった。原料価格、エネルギー価格、運賃がいずれも急速、大幅に上昇したことで、製品の販売価格への転嫁が追い付かなかった。宿泊施設・商業ビルの着工は低迷したが、住宅向けの押出成形セメント版「住宅用高遮音床材」「住宅用軽量外壁材」が伸びて増収は確保した。売上高は2%増の209億円、営業利益は46%減の10億円になった。

 同時に26年3月期を最終年度とする中期経営計画も発表。住宅用や超高層向け、環境商品など高付加価値品の拡販で収益拡大と収益性の改善をめざす。目標は経常利益率12%増とした。売上高の目標などは明らかにしていない。

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