シスメックス、34年3月期の売上高1兆円目標 事業領域拡大で・長期経営計画

20230512シスメックス会見

【神戸経済ニュース】医療用検査機器のシスメックス(6869)は11日、2034年3月期の連結売上高(国際会計基準)1兆円以上、営業利益率20%以上を目標とする長期経営計画を発表した。既存事業をより強化するのと同時に、新規事業を創出することで事業領域を拡大。個別化した予防や治療、予後モニタリングなど現在は手がけていない領域にも進出する。10年間で売上高を2倍以上に拡大するのと同時に、収益性も向上させる。23年3月期の営業利益率は17.9%だった。

 予防、健康診断、精密検査、治療・手術、効果判定、予後といった形で患者が経験するヘルスケアの一連の流れを「旅路」ととらえ、「ヘルスケアジャーニー」との概念を提唱。23年3月期決算で記者会見した浅野薫社長(写真右)は、「みなさんの健康により貢献できるような、それをともに支えていくような会社になりたい」と長期的な展望を説明した。ヘルスケアジャーニーのすべての場面で、シスメックスの強みを生かした製品やサービスが展開される将来像を描く。

 同時に発表した中期経営計画では、最終年度の26年3月期に売上高5600億円、営業利益率20%、株主資本利益率(ROE)16%などを目標とした。地域別の年平均成長率は日本が14.6%、米州が9.7%、EMEA(欧州・中東・アフリカ)が7.9%、中国が10.3%、アジア大洋州が18.0%とそれぞれ設定した。24年3月期の70億円を想定する手術支援ロボットの事業は、26年3月期に270億円まで拡大することを想定している。

 目標達成に向けた重点課題としてはまず、血液検査のほか免疫測定装置「HISCL-5000/-800」シリーズの試薬項目の拡充やアルツハイマー病の診断支援など「既存事業領域のイノベーションによる競争力強化と市場拡大」を筆頭にかかげた。次に遺伝子検査を中心とした「個別化医療の事業化加速」、さらに「予防・セルフメディケーション領域における新たなビジネスモデル創出」をかかげて、長期計画がめざす事業領域の拡大につなげたい考えだ。

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