シスメックス、今期純利益14%増に 血液検査で新製品の海外展開が本格化

20230512シスメックス

【神戸経済ニュース】医療用検査機器のシスメックス(6869)は11日、2024年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比14%増の520億円になりそうだと発表した。主力の血球数を数える血液検査では新製品「XRシリーズ」の欧州、アジア大洋州、中国での展開が本格化する。中国では新型コロナウイルスの対策を終え、医療インフラ投資を再開する動きが広がっている追い風も受ける見通し。年間配当金は前期比2円増配の84円(うち中間42円)と、3期連続での増配を予定する。

 売上高は12%増の4600億円、営業利益は13%増の830億円を見込む。中国では免疫系の検査項目の拡大を予定しているのも増収要因。一方で血液凝固分野での独シーメンスとの相互OEM供給(相手先ブランドによる生産)対応や研究開発投資、社内デジタル化への対応は積極的に費用を投じる。円相場も対ドルで133円と前期実績(135円50銭)より円高の逆風を想定。それでも増収に加えて原価低減、コスト削減などで10%を超す増益をねらう。

 売上高、営業利益、純利益はいずれも前期に続いて過去最高を更新する見通し。川崎重工業(7012)と共同で展開する手術支援ロボット「ヒノトリ」は年間で50台の導入をめざす。大阪取引所で記者会見した浅野薫社長は「今期は海外でも数台の導入をめざす」と、薬事承認を申請したシンガポールなどで初の海外導入に意欲を見せた。定価は1台2億1000万円だが、さまざまな導入方法を用意しており、導入台数と売上高は比例しない。前期末までには国内で35台を導入した。

 同時に示した23年3月期の連結決算は、純利益が前の期比4%増の457億円だった。北米での堅調な伸びやブラジルでの販売体制の強化、イタリアでの大型案件獲得などが寄与。インドも高成長だった。加えて円安進行が営業利益を169億円押し上げた。このため中国での需要低迷や、販売費の増加などを吸収した。売上高は13%増の4105億円、営業利益は9%増の736億円になった。34年3月期を最終年度とする長期計画、26年3月期を最終年度とする中期計画もあわせて発表した。

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