神戸市、対話型AI利用指針を条例化 市長「市民の権利を守る」5月臨時議会で

20230427久元神戸市長

【神戸経済ニュース】神戸市の久元喜造市長は27日の定例記者会見で、米オープンAIの「Chat(チャット)GPT」などの対話型人工知能(AI)について、利用指針を条例化すると明らかにした。「内部の業務マニュアルやガイドラインだけでは不十分ではないか」との見方を示した。情報漏えいを防止する観点からも制度整備が必要と判断。「必要な条例改正案などを5月に開く臨時議会に提出することで現在、最終調整している」という。対話型AIの使用について条例で定めるのは、国内でも初めての例になりそうだ。

 対話型AIを業務で利用するには「安全に利用できる対話型AIを選別する」必要があると判断。加えて、個人が特定・識別されるような情報、生命・身体・健康・安全に支障があるような情報、行政事務の執行に著しく支障を与えるような情報など、「情報公開条例の非開示情報として定めた情報を、対話型AIには入力をしてはならないとの義務を(職員に)課すことで、市民の権利を守るということにつなげていきたい」と説明した。

 改正するのは2005年に定めた「神戸市情報通信技術を活用した行政の推進等に関する条例」だ。安全に利用できる対話型AIについては条例で大枠を規定し、具体的には「市長が定める」とするか、下位の法令によって規定することになる見込み。チャットGPTが利用できる対話型AIに含まれるかは、明らかにしなかった。

 久元市長は、チャットGPTを試用した感触として「あらゆる分野で活用できると思う」との見方を示した。ただ現時点で職員に業務としての利用を「禁止をしている」という。便利である一方、情報漏えいなど「大きなリスクを伴う」点を考慮し、利用方法を定めることで「まずは市民の権利を侵害しないという姿勢を、条例という形できちんと示す必要がある」と、条例化に踏み切る理由を強調した。そのうえで業務での活用を模索するという。

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