アジュバンの今期、純利益81%減に 育毛剤事業で広告費を積極投入

20230422アジュバン

【神戸経済ニュース】ヘアケア・スキンケア製品を企画販売するアジュバンホールディングス(4929)は21日、2023年3月期の連結純利益が前期比81%減の7600万円になりそうだと発表した。広告の表現を巡って国立研究開発法人の理化学研究所(埼玉県和光市)との交渉が長引き、22年10月〜23年2月の5カ月間にわたって広告を休止した新規事業である育毛剤のネット通販事業では、挽回をめざして積極的に広告費を投入するのが響く。ヘアケア・スキンケアでは新製品の投入によって増収の見通しだ。

 売上高は16%増の50億円、営業利益は35%減の1億5100万円を見込む。前期に広告を休止した影響が出た育毛剤のネット通販事業は、前期の当初目標だった年間売上高5億円、顧客数1万5000人を改めて見積もる。今期はヘアケアで3ライン、スキンケアで3ラインの新製品を発売する計画で、既存事業の販促費用も膨らむ見通し。研究開発費も増加するが、ヘアケア、スキンケア製品の処方は自社開発に切り替えたことで、従来品より利益率は向上しているという。

 年間配当金は前期据え置きの24円(中間なし)を予定する。

 同時に発表した23年3月期の連結決算は、純利益が前の期比3%増の4億300万円だった。加えて期末に投資有価証券の売却益3億2200万円を特別利益に計上した。育毛剤のネット通販事業で広告を休止した影響で、販管費が想定を下回ったのも寄与した。ヘアケアは「Reベーシックライン」のリニューアル発売が苦戦した半面、スキンケアは美容液・ハンドクリーム・メイクアップなどの新製品が好調だった。売上高は1%減の43億円、営業利益は40%減の2億3200万円だった。

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