神戸製鋼、中東オーマンで「還元鉄」製造プラント 年500万トン規模で検討

20230410オマーン還元鉄

【神戸経済ニュース】神戸製鋼所は10日、米子会社のミドレックス・テクノロジーズが開発した、二酸化炭素(CO2)の発生を抑えながら鉄鋼の材料である「HBI」を鉄鉱石から作り出すプラントについて、中東のオマーンで事業化を検討すると発表した。三井物産(8031)と共同のプロジェクト。神戸製鋼と三井物産は、オマーンの経済特区を管理する行政機関「OPAZ」との間で、HBI製造事業の推進に関する覚書を交換した(写真=神戸製鋼提供)。

 プラントの候補地は、アラビア海に面した港湾都市ドゥクムの経済特区。神戸製鋼と三井物産は、港湾管理会社と土地の借り受けを予約する契約も結んだ。今後オマーンのエネルギー・鉱物資源省と、HBIの製造に必要な天然ガスの供給に関する詳しい条件を協議する。さらに土地の詳しい借り受け条件などを詰め、2024年度中の着工、27年度中の稼働を見込む。当初の生産規模は年500万トンと、大規模なプラントを想定する。

 建設するのは天然ガスを還元剤として、酸化鉄である鉄鉱石から鉄(還元鉄)を取り出す技術「ミドレックス・プロセス」のプラント。通常の高炉を使った製鉄に比べてCO2排出量を抑えることができる。還元鉄はそのままでは移動に適さず、ある程度の大きさに押し固めて鉄鋼材料の「HBI」にする。中長期的には還元剤を水素に転換したり、CO2を分離して活用・貯蔵する「CCUS」の導入したりと、さらなるCO2抑制も検討する。

 オマーン政府にとっては石油・天然ガス以外の産業を発展させる長期計画の一環という。神戸製鋼、三井物産とOPAZは首都マスカットで現地時間9日に覚書の調印式を開催。三井物産の福田哲也・常務執行役員金属資源本部長(写真左)、OPAZのマスード・アル・スナイデイ会長(同中)、神戸製鋼の元行正浩・執行役員エンジニアリング事業部門長(写真右)が覚書に署名した。

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