日銀神戸支店、景気判断「持ち直し」を据え置き 新年度・花見など消費喚起

【神戸経済ニュース】日銀神戸支店が7日に発表した4月の管内金融経済概況では、兵庫県景気の基調判断を「持ち直している」とし、昨年11月以来の見方を据え置いた。新型コロナウイルスによる行動制限がなくなったことによる個人消費の回復が進み、卒業式や入学式といった年度替わりの行事や、花見など季節の行事も消費を喚起した。ただ今後については、欧米の利上げを受けた景気悪化の影響などがどう表れるかが焦点になりそうだ。

 景気全体をみると、総じて新型コロナウイルスの影響が後退したことによる、好影響が続いた。消費は順調で、化粧品や高額品などの販売も高水準で推移している。モデルチェンジに伴い価格が上昇した家電なども、新年度・新生活に伴う需要を追い風に省エネ型の機種などで販売が伸びた。新車の受注は堅調に推移しており、納車台数も徐々に増えている。

 生産面でも、自動車メーカーからの需要回復が緩やかな鉄鋼を除いては、持ち直しの動きが目立っている。春節(旧正月)の大型連休後に中国向けの輸出は回復し、神戸港からの輸出も好調だ。ただ同日記者会見した日銀神戸支店の竜田博之支店長は、「このところ輸出をけん引してきた一般機械は米FRB(連邦準備理事会)の利上げがどう影響するか、中国向けの半導体製造装置に米通商政策の影響が表れるか、需要動向を慎重にみていきたい」と話していた。

 3日に発表した日銀全国起業短期経済観測調査(短観、3月調査)の兵庫県版でも、製造業には海外景気が減速し始めた影響があらわれた。足元では人手不足を懸念するほど順調な観光も、訪日客数の動向を通じて海外景気に左右される可能性がある。兵庫県の景気を見極めるうえでは引き続き、米欧の利上げや半導体の需給動向を中心に、海外景気への注目度は高い。

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