昨年の神戸マラソン、経済波及効果20億円 関連イベント自粛で縮小・県立大推計

20230405神戸マラソン経済効果

【神戸経済ニュース】兵庫県立大学の地域経済指標研究会は、2022年11月20日に開催した第10回神戸マラソンの経済波及効果が約20億6000万円だったとの推計結果を発表した。応援自粛を呼びかけたことから沿道での観戦者数を数えなかったため、データがある大会運営と密接な需要の経済波及効果を算出。同じ基準で推計した19年11月の第9回神戸マラソンと比較して3割程度、波及効果が小さかったことが分かった。関連イベントなどを縮小した影響が推計結果に表れた。

 新型コロナウイルスの影響で20年と21年に開催を見送り、22年の第10回神戸マラソンは3年ぶりの開催だった。出走者数こそ約2万人と、前回とほぼ同じだったが、沿道での応援を自粛するよう呼びかけたほか、舞子公園など各地点での応援イベントや、ゴール地点での飲食ブースなどの出店、前日までの出走登録に併催する「神戸マラソンEXPO」に飲食店を出店させなかったことなど、関連イベントを大幅に縮小して実施した。

 第9回は沿道での61万人が応援・観戦したことによる効果も含め、約80億円の経済波及効果があったと推計していた。観戦者の影響などを除いて今回と算出基準を合わせると、第9回の経済波及効果は29億4000万円になるという。この数値と比較しても、第10回大会の経済波及効果は30%小さい結果にとどまったことが、推計によって明らかになった。

 算出を担当した兵庫県立大の芦谷恒憲特任教授は、「経済波及効果を大きくするには、マラソン大会を開催したうえで、関連イベントの規模を大きくすることが重要」と改めて指摘する。11月19日開催予定の「神戸マラソン2023」では新型コロナによる制約はなくなる公算。ただ多くの人が集まる行事を警戒する意識はコロナ禍の中で浸透した。このため再び19年と同規模の経済波及効果を得るためには、感染対策と規模拡大の両面を成り立たせる関連イベントの開催が欠かせない。

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