兵庫日銀短観、全産業DIは2四半期ぶり改善 中小企業に賃上げ波及の期待も

20230404経常利益

【神戸経済ニュース】日銀神戸支店が3日に発表した全国企業短期経済観測調査(短観、3月調査)の兵庫県分では、全産業の業況判断指数(DI)が前回調査から3ポイント改善のプラス5だった。業況判断DIの改善は2期ぶり。新型コロナウイルスの影響が後退し、経済活動が再び活発化する流れで企業収益は改善が続いている。ただ原材料高や電気代の上昇などのほか、製造業には海外景気が減速し始めた影響があらわれた。

 調査期間は2月27日〜3月31日。兵庫県内の325社が対象で、回答率は98.8%だった。業況判断DIは景気が「よい」と答えた企業の割合(%)から、「悪い」と答えた企業の割合(%)を差し引いて算出する。

 業種別にDIをみると、製造業では「業務用機械」「金属製品」「鉄鋼」に加え、非製造業では「小売り」「物品賃貸」「卸売り」「建設」などで改善が目立った。総じて内需関連業種に改善が目立った。半面、「化学」や「非鉄金属」など海外需要に支えられる構造の業種は悪化が顕著だった。インフレ抑制を目的とした欧米の中央銀行による利上げが続いているほか、半導体需要の減速などを背景に、海外需要が変調したのを反映した結果になった。

20230404規模別経常利益

 一方で売上・収益計画のうち2023年度の経常利益見通しを企業の規模別でみると、「全産業・中小企業」の見通しは年間で5.5%増になった。上期はマイナス7.5%だが、下期に20.2%増と急回復する。中小企業で遅れていた、販売価格の引き上げが浸透するとの見方が増えているのが背景という。中小企業の収益改善は、大企業で相次いでいる賃上げが、中小企業にも波及するか見極めるうえで期待を誘う結果といえそうだ。

 企業の金融環境を巡っては、「借り入れ金利水準判断DI」は全産業で7ポイント上昇。一方で「資金繰り判断DI」「金融機関の貸し出し態度判断DI」はそろって2ポイント低下だった。貸出金利は上昇したが、日銀神戸支店は「金融は緩和した状態にあり、企業の資金繰りは落ち着いた状態」(竜田博之支店長)とみている。

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