兵庫県庁舎1・2号館は26年度にも解体へ 知事「3号館や生田庁舎など活用」

20200420兵庫県庁

【神戸経済ニュース】兵庫県の斎藤元彦知事は29日の定例記者会見で、兵庫県庁の本庁舎1・2号館(写真=資料)などの解体を26年度に着手すると発表した。「時刻歴応答解析」という手法で県庁舎2号館と議場棟を詳細に耐震診断したところ、南海トラフ地震のような長周期地震に対しては倒壊するような大きな被害にならないとみられるが、阪神淡路大震災のような直下型地震では耐震性の判断基準を満たしていないことが分かったため。1号館も2018年に同じ検査を実施し、同様の結果を得ていた。

 24年度までに移転先などを確保し、25年度に移転を開始する。移転先には県庁舎3号館や生田庁舎、兵庫県公館など近隣の既存施設を「最大限活用」(斎藤知事)。1・2号館には通常2500人の職員が勤務するが、テレワークなどの「働き方改革」で出勤する職員数を4割程度、およそ1000人に抑えると、3号館など近隣の施設に収容できると見積もる。ただ業務内容に応じて民間の賃貸オフィスや、現在の県庁舎から離れた場所への移転もありうるとした。

 解体費用は約70億円を見込む。このほか3号館や生田庁舎などの改装費用などが必要になる見通しだ。

 解体した跡地は28年度から「いったん市民緑地として暫定利用したい」(斎藤氏)という。県庁周辺は「県民会館を除いては土日にほぼ使われていない地域だが、緑地を整備することで週末にもイベントなどで、にぎわい作りができる」という。その後の土地利用は、来年度から議論する周辺地域の再整備方針「元町グランドデザイン」に合わせて検討する。並行して兵庫県庁舎の新庁舎が必要かも検討するが、斎藤氏は「かなりダウンサイジング(小型化)したものになる」と述べ、大きな費用がかかる新たな庁舎建設には消極的な姿勢を見せた。

 兵庫県庁の老朽化、耐震強度の不足はかねて指摘されていた。1号館は1966年、2号館と議場棟は70年に完成。すでに利用開始から50年以上が経過している。井戸敏三前知事の時代には約700億円をかけて、1・2号館と兵庫県民会館を代替する庁舎を建設する計画をいったん決定した。これを18年に新たに知事になった斎藤氏が、財政への負担が大きすぎるとして撤回した経緯があった。斎藤氏は「庁舎については議会や地域のみなさんとも議論が必要だと思う。丁寧に合意形成していきたい」と話していた。

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