ポートアイランドどう再生? 神戸市がシンポジウム、「深い緑の森」提案も

20230313藤村氏講演

【神戸経済ニュース】神戸市は13日、1981年の街開きから約40年が経過し、新たなにぎわいづくりが課題になっている人工島「ポートアイランド」(神戸市中央区)の活性化について議論するシンポジウムを開催した。ポートアイランドの研究者である建築家の藤村龍至准教授が「ポートアイランドの近未来を近過去から考える」をテーマに基調講演。パネル討論はパネリストに藤村氏のほか、神戸芸術工科大の小浦久子教授、都市計画家の小林郁雄氏、建築家の津川恵理氏が参加。司会は全国まちなか広場研究会の山下裕子理事が務めた。

 藤村氏は基調講演で、現在の神戸港はポートアイランドの港島トンネルと神戸空港を結ぶ道路「ポートアイランド東側臨港道路」を境界に、東側が港湾機能、西側が住宅地と港湾以外の産業集積地になっていると指摘。この西側を深い緑で覆うことを提案した(写真)。さらに歩行者空間を大幅に充実させて、住宅と企業の立地を融合させることが快適な空間づくりにつながると指摘する。新しい街が完成した際は、すぐに解体するパビリオンとは別の形で展示する「神戸パークアイランド博覧会」の開催も提案した。

 パネルディスカッションでは、ポートアイランドの中央市民病院で生まれたという津川氏が「休みの日に、歩きに来たいと思う街並みはないのが現状」と指摘。新たな街づくりが求められていることを強調した。小浦氏は「とにかく(街として)大きく、さまざまな立場の人がいる」と住む人や働く人の多様性に着目。小林氏は、古くからの住宅密集地などに比べると相対的に「大きな火災も起きにくいなど安全性も高い」との見方を示し、ポートアイランドのポテンシャル(可能性)の高さを指摘する声も相次いだ。

 あいさつした久元喜造市長は「まだ方向性は何も決まっていない」と述べ、今後も含めて自由な議論を促した。世界で初めて無人の自動運転を実現した鉄道であるポートライナーが開通した1981年の「神戸ポートアイランド博覧会(ポートピア’81)」から長い時間が経過したことで、「現在のポートアイランドは『街の魅力』という点で、かなり課題があるのではないかと考えている」「魅力を阻害している要因は何かを考える必要がある」と述べ、島内の住民や企業などに向けて議論に参加するよう呼びかけた。

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