住友ゴム、50年にタイヤ原材料すべて「サステナブル」に 循環型事業を構想

20230309住友ゴム構想

【神戸経済ニュース】タイヤ大手の住友ゴム工業(5110)は9日、2050年にタイヤの原材料すべてを「サステナブル原材料」に切り替えることなどを盛り込んだ製品・素材の循環型事業の構想「TOWANOWA(とわのわ)」を発表した。タイヤの生産・販売に関するサイクルを「企画・設計」「材料開発・調達」「生産・物流」「販売・使用」「回収・リサイクル」の5つの局面に分解し、それぞれに目標を設定。21年に打ち出した「50年にCO2排出量実質ゼロ」への道のりを具体的に描いた。

 タイヤ原材料については「材料開発・調達」の部分で言及。化石燃料以外の「バイオマス原材料」と、古いタイヤなどから作る「リサイクル原材料」の2つを総称して「サステナブル原材料」と定義した。50年には石油系のゴムはすべてリサイクルでまかなう形になる。途中経過として30年にはサステナブル原材料の比率を40%にすることをめざす。この時点ではサステナブル原材料の比率が40%、このうち10%に相当する分がリサイクル素材になる見通しだ。

 「企画・設計」から「回収・リサイクル」までに連なる循環の中から現れるビッグデータは、住友ゴムの独自技術であるタイヤ自体をセンサーとして多様な情報を取得する次世代技術「センシングコア」を通じて蓄積。シミュレーション技術や人工知能(AI)など技術の高度化に後押しされながら、路面状況によってタイヤの接地面の性質が最適化する技術「アクティブトレッド」の進展などにつなげたい考えだ。

 8日に記者会見した山本悟社長は「TOWANOWAでめざす姿は、限りある資源を循環させて有効活用するとともに、センシングコアをはじめとした当社独自のビッグデータを活用することで、お客様に新たな価値を提供し、次世代モビリティ社会をはじめとした持続可能で安心・安全・快適な社会の実現に貢献する」と説明した。この一環で1月から白河工場(福島県白河市)で水素エネルギーを活用したタイヤ生産を始めたことを示した。

 加えて2030年には日本・中国・欧米のいずれかの地域で、センシングコア技術を通じて「タイヤ空気圧」「路面状態」「タイヤ荷重」「タイヤ摩耗」「車輪脱落予兆検知」の5項目を検知できる機能を搭載した自動車が商用化されることをめざす。昨年12月には、センシングコアを活用したサービスを2024年に複数の自動車メーカーが採用することが決まったと明らかにしていたが、さらなる普及でより幅広い範囲からデータを収集できる体制をめざす。

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