神戸市・玉津処理場でも下水汚泥からリン回収 国交省が実証事業に採用
- 2023/03/02
- 21:43
【神戸経済ニュース】神戸市と水処理施設などを設置・運営する水ingエンジニアリング(スイングエンジニアリング、東京都港区)は、神戸市西区の下水処理場「玉津処理場」に計画した下水汚泥からリンを回収する施設の新設が、国土交通省の技術実証事業に採用されたと発表した。今後は国土交通省の事業として実施。すでに稼働している東灘処理場(神戸市東灘区)の汚泥からリンを回収する装置(写真=神戸市提供)よりも、リンの回収効率・運転管理性を向上させる。
肥料の3要素は「チッ素、リン酸、カリウム」とされるが、このうちリン酸の原料であるリン鉱石は全量を輸入に頼る。特に日本は中国からの輸入が多い。神戸市は2011年度から水処理大手の水ing(東京都港区)と、汚泥からリンを回収する技術開発に取り組んで手法を確立。回収したリンを水ingの子会社である水ingエンジニアリングが買い取り、肥料を製造販売している。神戸市と水ingグループはリンの回収施設を増設によって、肥料の流通経路を拡大できるかも合わせて探る。
玉津処理場に新設するリン回収施設は、設備の構造や制御などを改良することで、リンの回収効率向上などをめざす。現在、下水処理場でリンを回収している自治体は少ないが、より高効率で回収できるとなれば、設備の設置コストを回収するまでの期間も短縮。小規模な自治体でも導入しやすくなる公算だ。神戸市と水ingエンジニアリングは、国交省が22年度補正予算で計上した7億5000万円の範囲内で、23年度内に設備の開発、設置、試運転までを進めたい考えだ。
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